カープ勝負の夏、カギ握る助っ人陣 緒方監督、外国人選手のチョイスと起用はいかに
どこのチームにも優勝のチャンスがある今年のセリーグ。いよいよ、勝負の夏を迎えた。この混戦を抜け出すうえで、カープ自慢の助っ人陣の活躍がカギを握ることになるだろう。
2015/08/09
野手陣の助っ人もそれぞれがチームのために準備
野手陣も層の厚さが光る。
7月末に、ブラッド・エルドレッドが夫人の出産のため帰国すると、二軍調整が続いていたヘスス・グスマンが3カ月半ぶりの一軍復帰。これまで、考えすぎるあまり積極的にバットを振っていけない面もあったが、二軍でそのテーマも克服した。
アグレッシブな打撃で4日のタイガース戦では、インサイドのストレートを強打してホームランにするなど、これまでと違った一面も見せた。「広角にヒットを打っていくスタイルは変わらない」というものの、ファームでも若手選手に交じってハードな練習をこなしてきた姿勢が日本野球への適応につながっていることは間違いなさそうである。
さらに、ネイト・シアーホルツが熱中症で戦線離脱をしても、代役として一軍昇格したライネル・ロサリオが3番打者としてコンスタントに結果を出している。
外野守備では不安を残すものの、パワーと確実性を併せ持つ打撃と「常に、100パーセント、いや、120パーセントの力を出して、グラウンドに自分の全てを置いていくのがスタイル」という言葉通りの全力プレーもチームに風を吹き込んでくれている。
混戦セントラルリーグ、カープの残り試合数も50を切った。
上位チームをラストスパートで追い抜く体制作りが急がれる。エルドレッドは再来日し、二軍で実戦復帰、7日にはウエスタンリーグでホームランも放っている。シアーホルツは、体調も戻り、二軍の炎天下に試合でも元気な姿を見せている。
カープの外国人選手のスカウティングには定評がある。
また、二軍にあっても、選手のモチベーションを切らさない首脳陣の手綱さばきも絶妙である。緒方孝市新監督の選択やいかに。外国人選手のチョイスと起用が今後の勝敗をわけるだろう。
と同時に、それだけの選択を可能にするスカウティングとマネジメントの力がカープの財産でもある。