ソフトバンク・萩原スカウトが“自信を持って獲得”したアンディ・ロドリゲス「大化けする可能性は十分ある」【インタビュー・前編】
最強軍団の名をほしいままにし、5年連続の日本一を目指す福岡ソフトバンクホークス。その充実した陣容の中でも出色の輝きを放つのが、リバン・モイネロ投手、ジュリスベル・グラシアル選手、アルフレド・デスパイネ選手というキューバの助っ人プレーヤーだ。そんな彼らの獲得に携わり、ホークスの中南米戦略を支えている萩原健太・中南米担当スカウト。ドミニカ共和国に拠点に置き、逸材探しに奮闘する萩原スカウトに今年も話を伺うことができた。<前編>
2021/03/30
Getty Images
キューバ市場はチャンス
7年目を迎える萩原スカウトのこれまでの活動の中で獲得に携わったのはキューバ人選手5人、ベネズエラ人選手1人となっている。
「ドミニカに住んで15年が経ちますが、未だにドミニカ人選手をNPBに送り込んでいないので、こちらの関係者からは『全くドミニカ人を獲らないな』と冷やかされますが、致し方ない部分はあります。トップクラスのプロスペクトはやはりMLBに持っていかれます。MLB全30球団がドミニカにアカデミーを持ち、各チームが5人くらいはスカウトを抱えています。人数の面、金銭的な面で差があるのが現実です。
その点で、MLBのスカウトが現れないキューバ市場にはチャンスが残っています。ありがたいことに、私自身もキューバ球界では最もキューバに足を運ぶスカウトと認識してもらっています。ホークスではキューバ人選手も結果を残していますし、ホークスなら選手を送っても大丈夫と思ってもらっています。日本球界では、キューバは交渉しづらいと思われている部分もありますが、最後は人間同士のやり取りですから、相手に”お前はアミーゴ(友達)”だと思われることが大事なんですよ。
ただ、キューバには亡命というリスクが伴います。有望な若手選手にはまず間違いなくブローカーが接触しているでしょう。例えば、私が早くからリストアップし、球団にも報告したプレーヤーの中にはルイス・ロベルト(シカゴ・ホワイトソックス)、シオネル・ペレス(シンシナティ・レッズ)といった選手がいました。残念ながら、こちらが獲得する前に亡命してしまいましたが、彼らがメジャーの舞台までたどり着いたというのは、私の眼は間違っていなかったという答え合わせになるという意味で満足感もあります」
(後編につづく)
高橋康光