球数表示も視聴者の野球の楽しみ方の一つ――オリックス中継プロデューサーに聞く、J SPORTSの番組制作#2
来年開局20年を迎える、J SPORTSは有料放送のプロ野球中継のパイオニアだ。今回は「野球好き」オリックス中継担当プロデューサー高橋洋美氏に、J SPORTSのプロ野球中継に対する取り組みと、自身が担当するオリックス中継や球団との関係について語ってもらった。
2015/08/24
メジャー中継を参考に取り入れた球数表記
――ところで、高橋さんはいつからプロ野球中継に携わられたのでしょうか?
2006年に制作部に異動してきたので、それからですね。もう9年になります。担当が野球になってからは6年です。
――高橋さんがこれまでやられていた他の番組を参考に現在のオリックス中継で取り入れられたことはありますか?
僕は去年までメジャーリーグ中継をやっていたので、そこで培った制作方法や情報の出し方は参考になりますよね。映像の見せ方は、メジャーはカメラの台数が違うので単純に比較はできないですが、中継のディレクターと相談して、こういうことができないか?などと、毎回話しています。
――オリックス戦では球数表記も特徴のひとつになっていますか?
これはJ SPORTSのプロ野球中継の中でも、オリックスだけ行っています。メジャーを意識して取り入れました。球数は視聴者の方も非常に気になるじゃないですか。初回に30球投げたら「こりゃあかんな」と思ったり、100球超えたら「そろそろ交代かな」とか……球数に関しては視聴者の方に意識付けができているのではと思います。
もともと、J SPORTSの中継では、初回に何球投げましたとか、あるいは50球目、80球目、100球目とか節目節目で球数などの情報を必ず言うようにしています。それに加えてオリックス戦では球数が画面を見ればわかるようになっています。
これは球団映像さんのCGの協力のもとで実現できています。球数を伝えるというのは、僕らが野球を中継するときのスタンダートなもの。球数は絶対面白いと思うんですよ。完投行けるかなとか、そういう楽しみ方が視聴者の方もできますから。
――視聴者の皆さんからの番組に関する反応はいかがですか?
J SPORTSでは、よりファンの声を拾えるようにと、今年からツイッターのアカウントを球団ごとに分けて、キャンプからスタートしました。球団別でやるのは面白いんじゃないかな。中日なんかすごいですからね。各担当が競い合っています。
大きなコンセプトはみんな「野球好き」ですから(笑)。オリックスでは、ツイッターと連動してメッセージを直前レポートで読んでいるので、そういう意味ではファンの熱い声は伝えることができているのかなと思います。昔はFAXだったんですけどね。オリックスのフォロワー数も増えてきていますよ。