ファイターズのコールアップはドラマ!? QVCマリンは、2軍選手の登竜門【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#10】
8月18日~20日までのロッテ戦で3連勝を飾ったファイターズ。3戦目は、メンドーサの体調不良により、この日2軍先発が予定されていた新垣が急きょ1軍の先発マウンドに上がった。
2015/08/22
緊急先発、29歳の初勝利
ファイターズはQVCマリン、東京ドームと続く8月の関東シリーズだ。
ラッキーなことに3位ロッテを敵地でスイープし、109試合を終えて、63勝45敗1分の貯金18(8月20日現在)である。フツーなら完全に優勝ペースだなぁ。が、今季は上に106試合69勝34敗3分、何と貯金35(同じく20日現在)のソフトバンクがいる。
追撃をあきらめたくはないけれど、試合数も少なくなっていく。チームマネジメントとしては、どこにフォーカスするのか難しい時期に差しかかる。
が、今回の話題はそんな話ではない。このロッテ3連戦の主役は大谷翔平でも中田翔でもなかった。3年目の新垣勇人だ。
19日の第2戦、メンドーサの扁桃腺炎のため緊急登板が決まる。
実は新垣はこの日、2軍のロッテ浦和球場で登板する予定だった。午前中、1軍昇格&先発を告げられ、つまり、「半日スライド登板」という珍しい状態でQVCマリンのマウンドに立った。
そしたらプロ初勝利だ。社会人の東芝を経ての遅いプロ入りだったから、29歳の初勝利。投球内容は5回(70球)被安打4、三振5、四球0、失点2。本当に丁寧に投げていた。一度、井口資仁に同点ホームランを浴び、勝ちが消えかかるが、勝利の女神はそっぱを向かなかった。この日、バッティング好調の市川友也が勝ち越しタイムリーを放つ。
で、嘘みたいな話なんだけど、新垣と市川は中学時代、バッテリーを組んだ同級生コンビなんだね。市川は巨人からのトレード入団だから、まさか新垣と29歳になってファイターズで再びバッテリーを組み、しかも自分のタイムリーで「プロ初勝利」をもたらすとは想像だにしなかったろう。これ、実話だからいいけど、もし小説に書いたら「やりすぎです」って編集者から赤が入るところだ。