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グリエル、デスパイネなど大物選手が次々来日。日本球界に吹き荒れた〝キューバ旋風〟

2014年シーズンの大きなトピックスのひとつが、キューバ出身選手の活躍だ。昨年、キューバ政府が制限つきながら自国選手の海外移籍を容認したため、グリエル(横浜)やデスパイネ(ロッテ)など、キューバの至宝と呼ばれる大物選手が次々と来日。その前評判に違わぬ実力を示し、キューバ野球の質の高さを改めて見せつけた。解禁元年となった今季は、いわば〝種がまかれた〟1年に過ぎない。このキューバ旋風は来季以降も続いていくと予想される。

2014/10/14

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来季は今季以上のキューバ旋風が吹き荒れる?

 キューバと商取引のある国には合法的に交渉ができるようになった。これ以前に亡命した選手は、帰国することさえ許されなかったが、ルール改正後に移籍を果たした選手はシーズンオフの帰国も可能。余計なリスクを背負わず、野球に集中できる環境が作られたため、日本球界にキューバ旋風が起こったと言い換えることもできるだろう。

 こうした選手の代表例が、冒頭にあげたグリエル(横浜)やデスパイネ(ロッテ)である。両者はもともとキューバの至宝と呼ばれるほど能力の高い選手たちで、国際大会やキューバの国内リーグで高い実績を残してきた。

 横浜に入団したグリエルの前評判は、すこぶる高かった。ミート、パワー、走塁、肩、守備いずれも極めて高い能力を備え、「キューバ野球史上最高の5ツールプレーヤー」との呼び声もあったほど。2004年のアテネ五輪の同国代表の金メダル獲得に貢献し、第1回WBCではセカンドとして大会ベストナインに輝いた。

 6月から所属した横浜では、セカンド及びサードのレギュラーとして活躍。打順も主に3番を任され、62試合で打率.305、11本塁打、30打点をマーク。クライマックスシリーズ進出を目指すチームで、最後まで存在感を示した。

 一方のデスパイネは、キューバ時代に国内リーグで首位打者(1度)、本塁打王(3度)、打点王(2度)など数々のタイトルを獲得。第3回WBC福岡ラウンドでは3本塁打、9打点を記録してMVPに選出された。

 その後、メキシコリーグを経由して今年7月にロッテへと入団。来日直後は変化球への対応に苦しみ、また怪我による離脱もあったものの、徐々に本来の実力を見せ始め、9月は打率.369、5本塁打、16打点という月間成績を残した。シーズン最終成績は45試合で打率.311、12本塁打、33打点。右の大砲不在に悩むチームの4番として十分な働きを見せた。

 短期決戦といわれる国際大会で結果を残してきた二人は、日本球界にもすばやく適応し、キューバ野球のレベルの高さを改めて示した。

 ただし、これらの選手の契約形態はやや複雑だ。選手個人と球団の契約ではなく、キューバ政府と球団が契約を結ぶ形となっており、現状のキューバ人選手はいわば公務員扱い。また、複数年契約も許されていないため、いずれも単年契約。来季の所属は未定となっている。

 現在は、ともにキューバへと帰国したグリエルとデスパイネ。両者ともチームへの残留を望むコメントを発表しているが、政府と球団の話し合いによっては別チームへの移籍も十分に考えられる。ペーニャの退団によって4番不在が懸念されるオリックスや、今季、サード村田の不調に悩んだ巨人などが移籍市場を活発化させるかもしれない。

 事実、両者の活躍によってキューバ人選手の評価は急上昇。中日やオリックスなどが来季の新戦力として、キューバ人選手をリストアップしたと言われている。来シーズンは今季以上のキューバ旋風が日本球界に吹き荒れることになりそうだ。

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