淺間大基、再び輝きを放つ時。好選手揃いの外野陣でレギュラー獲得のチャンス【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#150】
先日の試合で横浜隼人高出身の宗佑磨(オリックス)、横浜高出身の淺間大基、高濱祐仁(日本ハム)と、高校時代に神奈川から甲子園を目指した3人がグラウンドに揃った。彼らは今季それぞれのチームで主力して活躍しており、みなプロ野球人生において新しいフェーズを迎えている。
2021/06/27
外野のレギュラー枠を勝ち取るチャンス
ご存知の通り、淺間、高濱は横浜高校の同期だ。これまた神奈川県大会で見てきた選手だ。ファイターズの横浜高校人脈(?)の一角。ドラフトで2人とも獲ったときは興奮した。野球センス抜群の淺間と大砲高濱。どちらかというと素材重視で見ていた宗佑磨とは貫禄がちがう。神奈川球界のスターだ。プロで3、4番を打てるクラスという評価だった。つまり、揃ってファイターズ入団ってことは将来の3、4番?、そういう興奮だった。
が、話はそうトントンは進まない。淺間は1軍でチャンスをもらったが、腰痛で2軍落ちしてしまう。高濱に至っては育成契約の3ケタ背番号を経験した。僕はあれほど輝きを放った選手がプロで伸び悩むのかと驚いた。一方、同期の宗は少しずつ1軍経験を積んでいった。身体能力の高さから外野へコンバートされたりしたが、がむしゃらにこなしていた。
宗は「彗星のようにデビュー」というタイプじゃない。ロールプレイングゲームのようにコツコツ経験値を上げていって、いつしか戦闘力を身に着けるタイプだ。ちょっと便利使いされすぎかなとも見えたが、それも無駄ではなかったと思う。気づけば(高校時代ははるか格上だった)淺間、高濱を追い越していた。
だけどめぐりあわせは不思議なもので、また3人は同一線上に並ぶんだよ。ファイターズは(コロナ禍の大量離脱に続いて)主力の不調、ケガ等で控え選手を抜擢せざるを得ない。淺間、高濱は今や打線の軸だ。淺間は間違いなくファイターズでいちばん当たってる打者だ(その淺間が身体の張りで休んだから心配してるのだ)。高濱は代打満塁ホームランををかっ飛ばす等、高校時代の和製大砲ぶりをついにプロでも披露した。今はクリンアップを任せられる打者だ。中田や大田が復調するまでのつなぎで終わったらもったいない。自信をつけてほしい。ここで化けてほしい。
そして淺間大基だ。本来なら今年は西川遥輝がメジャー挑戦して、外野のポジションがひとつ空くはずだった。レギュラーにいちばん近いと目されていたのは淺間だ。ファイターズは外野に好選手が揃い過ぎており、ポジションを獲得するのが並大抵じゃない。西川がメジャーを断念したことで開幕時の構想は「近藤、西川、大田、淺間の4人でまわす」になっていた。
淺間は覚悟を決めたはずなのだ。ポジションは奪うしかない。それがプロだ。打って打って、自分をスタメンから外せなくするしかない。近藤、西川、大田より打つ。まぁ、身体の張りは心配だけど、今年、ポジションを取り切ってしまうしかない。それはとりも直さずファイターズの中心打者になることだ。僕らはそのつもりで見ている。
プロの舞台で淺間、高濱、宗が新しいフェーズを迎えている。ここから彼らが球史に名を残す仕事ができるかどうかは運次第だ。とにかく僕はただただ感動している。淺間、高濱のアベック弾をプロでも見たのだ。宗のブレークを見届けたのだ。いちばんヒリヒリするポイントに3人とも立っている。あいつらここまで来たんだなぁ。やっぱり野球は連続ドラマだなぁ。