今季は中日がその立場に 落合GMも経験、混セを制するカギは下位チームとの対戦
いよいよペナントレースも残り30試合前後となったが、セリーグは大混戦。混戦を抜け出すために、かつて監督時代に同様のシーズンを経験した落合博満GMは下位チームとの対戦成績が重要だと指摘する。
2015/08/25
シーズン終盤の戦いで注意すべき点
今季のプロ野球ペナントレースも残り30試合前後となり、セリーグの優勝争いは阪神、巨人、東京ヤクルトに絞られた感もある。この3チームの直接対決は緊迫感を増していくはずだが、最後の最後にゴールのテープを切るために、最も気をつけなければならないことは何か。
中日監督時代の落合博満は「Aクラス入り(クライマックスシリーズ進出)がなくなった下位チームとの対戦には神経を遣った」と振り返る。
2010年は、まさにその考え方が功を奏した。
この年は中日、阪神、巨人の三つ巴で終盤までなだれ込み、9月を迎えた時点で首位は阪神。1.5ゲーム差で巨人が続き、さらに1ゲーム差で中日が追う。直接対決に勝つことが大切なのは言うまでもないが、落合監督は横浜(現・横浜DeNA)戦が大きなカギを握っていると見ていた。
横浜との試合数は、中日の残り4に対して、阪神と巨人は8。もし中日が4戦全勝しても、阪神と巨人に8戦全勝、7勝1敗と大きく勝ち越されれば、中日が優勝できる可能性は低くなる。そうした中で、落合監督は「勝算あり」と見て取ったという。
「この頃、阪神や巨人は、監督から選手までが取材を受ける度に『横浜戦だけは負けられない』と口を揃えていた。もちろん私も同じ考えだけれど、それだけは口にせず、『これからはどの試合も大事だ』とお茶を濁していた」