今季は中日がその立場に 落合GMも経験、混セを制するカギは下位チームとの対戦
いよいよペナントレースも残り30試合前後となったが、セリーグは大混戦。混戦を抜け出すために、かつて監督時代に同様のシーズンを経験した落合博満GMは下位チームとの対戦成績が重要だと指摘する。
2015/08/25
今季は中日が意地を見せる立場に
それはなぜか。
横浜の選手たちに無用な闘争心を持たせたくなかったのだ。目標を失い、翌年を見据えて経験の浅い若手を起用するケースも増えているチームは、勝利を挙げることは困難になっている。
ただ、個々の選手にはプロとしての意地があり、あらためて「横浜にだけは負けられない」と言われると、「それならひと泡吹かせよう、優勝争いを左右してやろう」と、必死になって立ち向かってくるのだ。その勢いは、ただでさえ優勝を争うライバルより怖い。そうした理由で、必要以上に相手を刺激して足元をすくわれるのを避けたのである。
その結果、中日はナゴヤドームでの3連戦に3連勝し、横浜での最終戦にも勝って4勝した。対して阪神、巨人ともに3勝3敗ともたつき、その間に中日が優勝を決めた。最終成績は、中日が79勝62敗3引き分け、2位の阪神は78勝63敗3引き分け、3位の巨人は79勝64敗1引き分けと、紙一重の差だった。
つまり、終盤の横浜戦の勝敗が大きく影響したのだ。
ちなみに、シーズンを通じた横浜との対戦成績は、中日、阪神、巨人とも16勝8敗だった。
「勝利という最大の目標を達成するには、自分たちが技術やメンタルを徹底して磨き、どんな相手にも負けないというチームに成熟することが大前提。でも、もうひとつ忘れてはいけないのは、勝負事には常に相手がいるということ。自分たちが会心の勝利を挙げれば、相手は反対に大きな悔しさを感じており、次の対戦では想像以上の闘志で向かってくる。だからこそ、余計な部分で相手を刺激してはならないんだ」
今季は、中日がプロの意地を見せる立場になっている。
8月23日の試合を終えた時点で首位・阪神、2位の巨人と5試合、3位の東京ヤクルトとは3試合を残す。そこで中日がどんな戦いを見せるのか、そして優勝争いをどう左右するのか注目してみたい。