「状況を頭に入れて」プロ初セーブ リリーフ配置転換で進化を遂げる大瀬良大地
昨年新人王を獲得し、今季も先発の一人と期待された大瀬良大地。しかし、開幕から結果が出ず、チーム事情もあり、リリーフ陣の一角としてマウンドに上がる日々が続く。
2015/08/27
ストレートの質に変化
また、トレーニングの強度を上げる取り組みも奏功し、ストレートの威力も増していった。以前から、スピードガンは150キロをマークしていたが、ボールの質が変わったのである。
「打者の反応を見ていても、ストレートで押せていると思います。ある程度、打者が直球を待っているような状況でも押し込めるケースがあります。ボールの質が良くなったと思います」
力みの排除と強度の高いトレーニングが、質の高い快速球を生み出した。「投球動作の中で力みがなく、力感なく動作ができ、リリースのところで力を伝えられている感じがします」と去年までの変化を口にする。
これまでも、快速球とスライダーを軸に、将来のエースと期待された。
当然、野球人生をリリーフで全うするとは思えない。しかし、大瀬良は、新たな役割に真正面から向き合うことで、ピッチャーとして進化を遂げようとしている。
ストレートの質と気持ちのコントロール、2年目の挑戦が右腕にもたらしたものは少なくない。
「任せられる場面がとても大事なところです。マウンドに上がって勝負をして、しっかり抑えられたときの充実感は大きいです。また、先発と違った感じの喜びもあります」
いつしか、彼がマウンドに上がると、期待の歓声が爆発的に響きわたるようになった。防御率も3.02(8月26日現在)まで戻してきた。
カープファンは、やはり「背番号14」の登場を待っている。大瀬良には、その期待に応えるだけの快速球を持ち合わせている。