優勝へ黄信号の原巨人 V3チーム、ひとつのサイクルの終わり
8月25日~27日、優勝争いの大事な時期にジャイアンツはスワローズに3タテを喫し、今季最多タイの5連敗を喫した。主力選手がいまだ調子が上がらず、若い選手が奮闘しているが、4連覇の可能性は非常に厳しくなってきた。
2015/08/28
高齢化を迎えた主力陣
ついに崖っぷちに追い込まれた。
巨人は神宮球場でヤクルトに2試合連続完封負けを含む3連敗を喫し、今季最多タイの5連敗。
ペナント残り24試合で、勝率5割に逆戻り。
そんな中、40歳の井端弘和に代わり、19歳のドラ1ルーキー岡本和真がプロ初の1軍昇格を果たした。
イースタンリーグでは打率.258、1本塁打、16打点。
三塁守備を含めまだまだ発展途上だが、シーズンの勝負どころで1軍を経験できたのは今後にプラスになるだろう。
もちろん首脳陣も選手もファンも、まだ4連覇を諦めたわけでも捨てたわけでもない。
それでも、気が付けば夏も終わり、来季へ向けて時計は容赦なく進んでいる。
誰がどう見ても、今の巨人はチームの過渡期。
V3を支えてきた主力陣が高齢化を迎え、次世代への継承が急務だ。
数年前、小笠原道大とラミレスのオガラミコンビから、最強捕手・阿部慎之助を中心に据えたチームへと変貌。
投手陣は先発の柱に2年連続最多勝の内海哲也、ブルペンには球界最高のセットアッパー山口鉄也がスタンバイ。
そして、村田修一と杉内俊哉とスコット・マシソンが加入した12年から巨人のV3は始まった。
12年は2位に10.5ゲーム差、13年は12.5ゲーム差、14年も7ゲーム差。
圧倒的な強さを誇ったチームも、ついにひとつのサイクルが終わろうとしている。
阿部や村田は開幕から低打率に喘ぎ、杉内や内海は勝負どころで1軍にすらいない。
絶対的な安定度を誇った山口とマシソンは二人で12敗を喫した。
おそらく、原監督は今季から坂本勇人と長野久義を中心に新しいチームを作ろうとしたはずだ。
だが、現段階ではサカチョーコンビは「チームの土台」にはなれていない。
土台がしっかりしないから、その上で若手選手を抜擢する余裕もない。
プロ7年目25歳の大田泰示を昇格させても、先発レフトは今季限りで退団濃厚なアンダーソンを起用。
神宮球場の三塁側スタンドは、まるで消化試合をやっているかのような雰囲気に包まれた。