オールスターで痛感、中田や西川に代わる新しいスター出現を【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#152】
オールスター第1戦を現地観戦した。他球団の出場選手を見ながら、改めて中田や西川ではなく、大谷の次の新スターの登場が必要だと感じた。
2021/07/20
えのきどいちろう
近藤の不出場により参加したのは上沢のみに
プロ野球が中断期間に入り、12球団の全選手が登録抹消(公示を見て仰天した!)になった日、埼玉のうどん企業社長からLINEが入り、「急ですが、16日メットライフドームのオールスター戦チケットが手に入りました。観戦行きますか?」と声がかかった。うどん企業はわざわざこんなところで名前を出さなくても皆さんご存知の会社であり、社長さんは熱心な埼玉西武ライオンズのファンだ。お互いパリーグびいきなので、しょっちゅうLINEで情報交換(最近いただいたのは「大島康徳さん、ご冥福をお祈りします」でした)したり、また球場で呉越同舟の生観戦をしてきた。
そりゃ二つ返事で「行きます!」だ。まさか今年のオールスター戦を見るとは思わなかった。というのもファイターズは影が薄いのだ。シーズン前半戦終えて借金12の圧倒的最下位だから無理もないけれど、上沢直之と近藤健介(ともに監督選抜)のたった2人きり。古参のファンは1975年高橋直樹&張本勲、76年野村収&小田義人と存在感ミニマムの状態が2年続いた頃を思い出したのじゃないか。
しかも、前日になって田中将大と近藤健介の不出場(体調不良)が発表されてしまった。そのときはあずかり知らぬことだが近藤は仙台の第2戦も欠場する。報道によると胃腸炎ということらしい。札幌ドームが使えなくなり、長期ロードだったから疲れがたまっているのかもしれない。ということはアレだ、2ひく1は1。僕はファイターズ史上、(実質)いちばん選手の少ないオールスター戦にありついたのだ。これは書き残す価値があるだろう。
2021年は大谷翔平のMLBオールスター出場(しかもホームランダービー、先発投手&DHのフルコース!)によって、オールスター戦に世間の耳目が集まった年だ。アメリカの野球ファンは大谷という新しいスポーツヒーローの出現に活気づいた。また大谷本人が心の底から楽しそうだった。僕ら日本のファンは、あぁ、いいなぁと思ったのだ。僕らもあんな風にニューヒーローの出現を楽しみたい。野球を謳歌したい。去年は史上初めてコロナ禍のため、オールスター開催が見送られた。2年ぶりだ。夢の球宴だ。
ところが先ほどから述べている通り、ファイターズは「蚊帳の外」なのだ。本拠地開催の西武なんて辻監督含め9人もベンチにいる。国会議員なら立派に政党要件を満たしている。獅子党? ファイターズは1人だから会派も組めない。ていうか、所沢と仙台、その貴重な1人(上沢直之)はどっちで投げるんだろう。いそいそ見に行ってファイターズのユニホーム着た人は誰も見られませんでしたじゃ悲惨すぎる。といって上沢を連投させるとは思えない。こっちで投げるか仙台か。これは運任せだなぁ。ネットで「オールスター記事かな?」と読み始めた読者は何でファイターズのことなんか書いてる?、といぶかしく思われるだろうが、これは何年も続いているファイターズコラムの連載なのだ。「蚊帳の外」の視点からオールスター戦を描きたい。