ペナントV争い、CS争いの切り札は誰? 「9月男」に注目【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は「9月男」に注目したい。
2015/08/29
9月男が続々現れるヤクルト
次にセリーグを見てみよう。
各球団に何人かの「9月男」がいるのが見て取れる。
巨人はベテランの阿部慎之助と長野久義が3割を超えている。坂本勇人も31打点。毎年優勝争いに絡むので、選手が勝ち方を知っている印象だ。意外なことに亀井義行の9月の打率が悪い。
阪神はマートンが「9月男」。大和とともに大いに期待が持てよう。鳥谷もチャンスに強い。実は西岡剛が過去3年、9月の打率が打率.337と強かったのだが、戦線離脱している。
広島は丸、若手の鈴木誠也、エルドレッドが9月強い。ただ復帰した新井がここ3年、あまり活躍していないのが気がかりだ。
中日は大島洋平が「9月男」。ベテランの森野も好調だが、他の打者がやや実績不足。
DeNAは現在、若手を起用しているので、実績に乏しい。数字からして、ハマると止まらない「確変男」の梶谷と、主砲の筒香に期待したいところだ。
ヤクルトは毎年「9月男」が出る。
雄平は2014年に.313、4本塁打、21打点、畠山和洋も.302、4本塁打、12打点だった。川端慎吾は2013年に.393、2本塁打、16打点。
また秋になると調子が上がってくる“伏兵”がいる。松元ユウイチだ。ブラジル・サンパウロ出身。35歳のベテランで、2013年は本塁打記録を目指すバレンティンの後ろを打って.346、3本塁打12打点と大活躍した。今季も8月15日に一軍に昇格。今季も「9月男」となるか。
空前のトリプルスリー、三冠王を狙う山田哲人は数字からはは9月は特別強いとは言えない。
実績ある「9月男」に加え、今年も新しい「9月男」が出てくるに違いない。ペナントレースとともに個々の選手の活躍からも目が離せない。