【2014年タイトルホルダー 最多安打編】 好対照な1番打者――長打の山田哲人、単打の中村晃
7日をもって、2014年のペナントシリーズ全日程を終了し、各リーグのタイトルホルダーが確定した。それぞれの個人の成績を振り返ると記録の価値や、チームの状況にどう影響を及ぼしたのかまで見えてくる。最多安打はヤクルト、ソフトバンクの1番打者に輝いた。
2014/10/15
1番打者としてチャンスメイクに徹した中村晃
パ・リーグの最多安打は176本で中村晃。
規定打席以上の3割打者が5人いたソフトバンクは、最多安打候補が目白押しだった。
昨シーズンのタイトルホルダー長谷川勇也、過去2回獲得してる内川聖一に故障離脱があり、李大浩、柳田悠岐との争いになったが、月別の1試合平均安打は1を切ることなく、8月に月間39本と夏場にも調子を落とすことなく安打を量産。終盤まで李と5本差以内という接戦を制して、こちらも初めてのタイトル獲得となった。
2012年の内川、昨年の長谷川につづきソフトバンク勢として、3年連続の受賞となる。
前記した通り単打率は8割台。主に一番を任されていたこともあって、コツコツと単打を積み重ね、後続の強打者たちにチャンスメイクした。
ソフトバンクのチーム四球数は444でパ・リーグではロッテについで少なく、李46個、内川34個、松田24個など中軸は特に待球せず好球必打の傾向があった。
中村の59個も多い数字ではないが、それでもチームでは2番目に多く、持ち前の選球眼を生かしじっくり球を選んだ。対右投手.307に対し、対左投手.310と左投手を苦にせず、三振も638打席で61三振と少なく、切り込み隊長を任せるにはうってつけの人材だった。
1番での起用が多かったことで打席はリーグ3番目の638、打数はリーグ最多の571と打撃の機会が増えたことも、最多安打獲得に有利に働いたといえそうだ。