連敗は今季4回のみ 首位独走・ソフトバンクの勝負強さ
日本ハムとの1、2位対決を1勝1敗1分で終えたホークス。今季は連敗がわずかに4回。接戦も確実に拾うだけの勝負強さがチームに備わっている。
2015/08/30
将来のエース候補・武田
8月5日に早々と優勝マジックを点灯させ、首位をひた走るソフトバンク。8月最後の3連戦は2位・北海道日本ハムとの対戦となった。勢いそのままに6連勝!といきたいところだったが、11対1で大敗。カード初戦をらしくない形で落としてしまった。負け越しは避けたい2戦目、マウンドにはチームの勝ち頭でもある武田翔太が上った。
4年目を迎えた22歳の若鷹は将来のエース候補として、今季10勝をマークしている。
2012年のルーキーイヤー、シーズン後半からの登板で8勝をあげチームを救ったことはファンの記憶にも残っているだろう。この年、優秀新人賞を獲得した。翌年は開幕を1軍で迎えローテーションの一角を担ったが、調子が上がらずにファームを行き来することになった。そして14年、春季キャンプから右肩痛を訴え離脱。リハビリを行う西戸崎室内練習場からは海を挟んだ向こう側にヤフオクドームが見える。コツコツとリハビリに励みながら「早くあそこに行きたいな。7月頃には行けるかなぁ」とつぶやいていたのを思い出す。本人の予測からやや遅れをとったが8月に1軍昇格してから3勝をあげ、日本シリーズでは落差の大きなドロップカーブで阪神打線を翻弄。日本シリーズ優秀選手賞に輝いた。
自己成績をさらに高めるべく11勝を目指した21試合目のマウンド。7回まで被安打3、奪三振9、無失点の好投を見せていたが、右足がつり、自ら申し出て降板。「無理をして中途半端に投げてもいけない」と次回登板を見据えた。
4対0であとを託された中継ぎ陣だったが、8回にここまで防御率0点台を誇っていた森唯斗が自己ワーストの4失点で武田の勝ちを消してしまう。3番手のサファテも踏ん張りきれなかったが、勝ち越しは許さず、何とか同点にとどめた。
工藤公康監督は「なかなか連続四球を出したりはしない。今日は自分の思い通りにいかなかった。同点でとどめてくれたことが大きい」と前向きに語った。
1イニング4得点の日本ハムの長い攻撃が終わった。ベンチ前で円陣を組んだソフトバンク。強さの秘訣はここにあるのかもしれない。8回裏、勝利への執念を見せた。