「今も窮屈な思い」DeNA森原康平は「リリーフという仕事」にどう向き合うか?「そこだけは間違えてはいけない」【前編】
2025/04/15 NEW

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昨季、横浜DeNAベイスターズが26年ぶり日本一を決めたとき、マウンドに立っていたのが森原康平選手だった。昨季までの2年間で104試合に登板し、33歳となった現在でも、新たな挑戦へ突き進んでいる。インタビューの前編では、リリーフという仕事の難しさについて話してもらった。(取材・文:石塚隆、取材日:3月22日)
リリーフというポジションは「報われることが少ない」
――― 昨季、胴上げ投手となった森原選手ですが、今回は『リリーフという仕事』についてお聞きします。
森原 リリーフをやってきてまず思うのは、ネガティブになってしまうのですが「報われることが少ない」ということですね。リードの場面はもちろん、ビハインドや火消しで打者を抑えたとしても、チームが勝った場合、そのピッチャーのおかげだとはなりません。逆に打たれてしまえば「戦犯はお前だ」ということになることも少なくはない。極端に言えば、10試合無失点でも、1試合サヨナラ負けを食らったら「あいつはいつも打たれている」と評価されることもあります。
――― シビアな仕事ですよね。
森原 はい。ですから逆にリリーバー同士は分かり合える部分がとても強くて、ブルペンは団結するんです。ただ近年は、完全分業制も定着してきて、僕たちの仕事を理解してくれているのは肌で感じています。とくに昨季は、スタジアムのファンの方々が一緒に戦ってくれているのを感じましたし、とても心強かったです。昔は先発でダメだった人がリリーフにまわるといったイメージがありましたが、今は適材適所という部分で見てもらえていると思いますね。
――― 森原選手は学生時代からずっと先発投手で投げてきました。しかし社会人3年目、都市対抗野球に出場する日本新薬の補強選手になると、そこで初めてリリーフを経験したと聞いています。初めて救援で投げたときの感想は。
森原 誤解を恐れずに言えば「1イニングでいいんだ。楽だな」って思ってしまったんです。初登板では抑えることができましたし、1イニング全力でアウト3つ取るだけでいいんだって。10球ぐらいで終わってしまうし、すべてを出し切れる。それまで僕は先発として、3日間で3試合連続7イニング以上を投げたこともあったので、正直、本当に楽だなって。