球速でも年間登板数でもなく…森原康平が追い求める「希少価値のある数字」「リリーバーとしての価値を考えたとき…」【後編】
2025/04/15
――― なるほど。さて、シーズンはまだ始まったばかりですが、昨年胴上げ投手になったことも踏まえ、なにか今季、課題にしていることはありますか。
森原 今年に関しては、まずはリリーバーとして“一番大事な時にいること”を考えています。チームが一番必要だと思っている時にそこにいて、一番パフォーマンスが高い状態でハマりいく。
――― いかに状況に合わせられるかが問われるわけですね。
森原 はい。これまでは「1年間投げたい」「60試合登板する」「155キロを投げる」といったようにすべてを取りに行っていたのですが、今年は状況を見ながら“一番大事な時にいること”を念頭に置いています。出遅れてはしまったのですが、オフから計画性をもってトレーニングに取り組んできました。
――― 自分をアップデートさせるためにも。
森原 もちろんです。パフォーマンスの部分で現状維持に甘えてしまったら、相手がある競技なのでデータを取られ、攻略されてしまいます。そうならないように常に進化を求めてやってきました。
――― アップデートさせていく中で、なにか新しくチャレンジしたいことはありますか。
森原 僕個人としてリリーバーとしての価値を考えたとき、“3年間150試合登板クリア”したいという思いはありますね。
――― 森原選手は過去2年で104試合登板しています。
森原 3年で150試合登板しているピッチャーは非常に少なくて、リリーバーとして希少価値のある数字だと個人的に思っているんです。そもそも僕は、ベイスターズに来る以前、フルシーズン2年間を投げたことがありませんでした。年齢的(33歳)にもきついと思われるかもしれませんが、ここを超えて行けば、新たな自分が見えてくるのかなと考えています。本当、ここは挑戦だし、すごく楽しみにしています。
――― 森原選手の著書『地道が近道』には「目標を紙に書いて貼り付ける」とありましたが、これも当然書いている。
森原 もちろんです。毎日のように眺めていますよ。チームが必要だと思う場面でベストなパフォーマンスをして、そこにチーム成績がついてくれば最高だと思います。まだまだ先は長いですが、頑張っていきたいですね。
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【前編】「今も窮屈な思い」DeNA森原康平は「リリーフという仕事」にどう向き合うか?「そこだけは間違えてはいけない」
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書籍情報
『地道が近道 ゆるやかに成長し続ける”成功思考”』
定価:1980円(本体1800円+税)
僕がマウンド上で微笑む理由
成功者よりも成長者であれ
挫折・誹謗中傷も経験。
日本一の胴上げ投手による「メンタル強化書」
「勝ちゃえんよ」
結果を出す人は再現性が高い
まずすべてを受け入れる
真剣に失敗し、次に生かす
数年後をイメージしてゴールから逆算
振り返れば、僕の野球人生は決して順風満帆なものではありませんでした。
野球の才能面では、〝凡人〟だったと言ってもいいでしょう
そんな苦しい渦中であっても自分を支えていた言葉がありました。
「成功者より成長者であれ」です。この姿勢はアマチュア時代から変わりません。
思うのは〝凡人〟だからこそ得た感覚です。
本書では、僕の『心・技・体』における成長過程や、何を考えて日々生活し、取り組んできたのかを記していきます。
プロの道を目指しているけど自分では平凡だと思っている人はもちろん、社会生活を営む一般の方々にも生きていく上で少しでもヒントになればいいなと思っています。
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書籍『地道が近道 ゆるやかに成長し続ける”成功思考”』
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【了】