“覚醒中”小島和哉は何をつかんだのか。初完投から急成長、帽子裏の言葉に込めた思いとは【千葉ロッテマリーンズ・若手選手インタビュー連載#13】
2021/10/07
「去年投げたことが活かされてきている」
今年はチームの勝ち頭としてここまで2桁10勝(3敗)をマーク。勝率.769はリーグ2位の数字だ。特に直近4試合では、4勝無敗、3完投2完封。33回を投げて自責点はわずかに3で、防御率に換算すると0.82と圧巻のピッチングを続けている。
今季好投を続けている要因として、昨年の経験が大きいのだという。
「まず去年1年間試合で投げさせていただいたので、ペース配分じゃないですけど……。今年は目指す目標とかを、あやふやなものじゃなくて、しっかりと明確なものを掲げてシーズンに入ったんです。前半あまり良くなかった試合も多かったのでちょっと大変な部分もあったんですけど、なんとかギリギリ粘っていられているかなと思います」
今年は昨季ローテーションを守り投げたことで、一年を通したプランニングができている。短縮シーズンだったとはいえ、ローテーション投手のハードな日程を2年目で消化できたことは、大きな財産となったようだ。
「技術的には(昨年と比べて)大幅には変えてないですけど、試合に入っていくまでの間の時間の過ごし方とか、そういうところをちょっと。変えたというか、この時期はまだ走り込んでいいとか、夏場で暑くなってくるんでその時期に合わせてそこまでにたくさん走っておくとか、そういう風なことは、去年投げたことが活かされてきているかなと思います」
この4試合では“覚醒”ともとれる快投をみせているが、直前の2試合では5回を投げきれずに降板。防御率は一時4.92まで悪化した。そこからプロ初完投を皮切りに4連勝。その裏では、意識の変化があった。
「(状態が悪かった)一番(の理由)は、何試合も投げてくると同じバッターの人と何回も対戦することが多くなってくるんですけど、その時に前に打たれた時のイメージだったりとか、そういうのが少しずつ出てくるというか、同じ攻め方じゃ打ち取れないというか。
そうなってきた時に、ちょっと自分で厳しいところに投げなくちゃっていう気持ちが強すぎて、カウントを悪くしてしまって。結局取りにいかなくちゃいけないカウントで取りにいって打たれるというのがすごく多かった。
自分としてもそこは課題というか、反省で挙げていたので、とにかく初球からどんどん勝負しにいこうと。多少甘くても力で押せたりとか、キレでファールを取れるようにどんどんストライク先行で攻めていこうという気持ちで投げて、ポンポンポンっと(波に乗れた)」