“覚醒中”小島和哉は何をつかんだのか。初完投から急成長、帽子裏の言葉に込めた思いとは【千葉ロッテマリーンズ・若手選手インタビュー連載#13】
2021/10/07
プロ初完投は「自信になった」
「今はとりあえず“フォアボールは悪だ”と思って。でも出てしまう時もあるんで、フォアボールを出すんだったら一本ヒットを打たれた方が(マシ)くらいな気持ちでいって今は調子がいいので、悪くなるまではその志でやっていこうかなと思っています」
この意識が奏功し、ゾーンに力のある球を投げ込むことで与四球だけでなく、被安打まで減らす結果に。また、ストライクが先行することで球数が減り、長いイニングを投げられるようになった。4試合で3完投は意識の賜物である。
「(アマチュア時代は)体力的にはある方だと思っていたんですけど、プロに入ってきてあまり長い回を投げられていなかったので、6、7回のあたりがやっぱりどうしても体力が切れてしまうのかなという。大学の時までは自信になっていたものがあんまり自信になっていない部分があったんです。
けど、(プロ初)完投した時に、9回でも力を振り絞った時にスピードも出ていたので、1回完投してからちょっとだけ自信になったというか。前半から飛ばしていても、まだ後半もう一回(ギアを)上げられるだけの力が残っていたので、そこはちょっと自信はついたかなと思います」
初球からストライクゾーンで勝負することで球数が減る。球数が減ることで長いイニングを投げられる。長いイニングを投げられれば自信につながる。小島にとって理想的な循環が生まれているのだ。
だが、いまの成績があるのは、決して自分の力だけではない。リードしてくれる女房役や、安心して打たせることができるバックの守り、そして打線の援護があってこそだ。小島はそのことへの感謝も忘れない。
「僕が投げる試合は今年……、去年もそうですけど、点を取ってくれることが多くて、今年も負けがあまりついていない。早い回で降りても野手の皆さんがたくさん打ってくれて、試合に勝つゲームも多かったですし、僕が投げていても良いプレーで盛り立ててくれて、すごく投げやすい雰囲気をいつも作ってくださるので、(今の結果は)僕だけじゃなくて、野手の皆さんだったり、キャッチャーの田村(龍弘)さんだったり加藤(匠馬)さんだったりのおかげかなと思います」