“それが試合で出てしまった”。守備職人・小川龍成の脳裏に焼き付いて離れないプレーとは【千葉ロッテマリーンズ・若手選手インタビュー連載#17】
2022/02/12
千葉ロッテマリーンズ
忘れられないワンプレー
とは言え小川は、“守備で食っていく選手”だと筆者は思う。
メインポジションは、内野の要である遊撃手。やはりポジションへのこだわりは強いようで、「ショートで出たいと思っています」と明言した。
昨シーズンも随所で光るプレーを見せたが、本人は「守備範囲の広さは持ち味なので、そういった(好)プレーが出ることは、自分の中でもある程度想定内というか、できて当たり前」と涼しい顔をしている。
一方で、同じ守備のことでも、大きく表情を変えた一幕があった。
昨年最も印象に残っているプレーについて訊ねたときのことだ。
「一軍で、楽天戦の時に途中から守備につかせてもらって、本当に何気ないゴロを、足の速いバッターランナーだったんですけど、ちょっと焦ってしまって(エラーした)。自分の癖というか、『簡単なプレーをポロっとしてしまう』部分があったんですけど、“それが試合で出てしまった”っていうのは、あの、凄い覚えてて。そこが一番印象に残ったというか、今でも頭に残っているプレーです」
小川がそう語るのは昨年8月28日の楽天戦、8回1死走者なしの場面。打席には俊足のオコエ瑠偉が立った。オコエが放った「何気ないゴロ」をファンブルし、小川はプロ初失策を記録。昨季の失策はこの一つだけだ。後続は抑えられ失点には結びつかなかったものの、小川にとってこのワンプレーは、悔やんでも悔やみきれないものだった。
「今のキャンプでは、守備の確率の部分で、しっかり取れるアウトを確実に取るっていう。簡単な打球であったりとか、しっかりピッチャーが打ち取った打球で、アウトを取りきるというか。簡単にミスしないようにという意識でやっているので、試合でもしっかりそういったところで確実にアウトを取れるようにと考えてやっています」