佐藤奨真はスピードガンじゃ測れない。最速130キロ台で抑え込む芳醇なピッチング【#19】
2022/02/27
千葉ロッテマリーンズ
「緩急が一番の武器」
ロッテの育成左腕・佐藤奨は、ルーキーイヤーの昨季、イースタン・リーグで17試合(87回1/3)に登板し、7勝5敗、58奪三振、防御率3.50の成績。2つの完封もマークした。背番号3桁の選手であるため一軍経験こそまだないが、ファームで安定した結果を残し「支配下登録」枠を虎視眈々と狙っている。
そんな左腕は自身の強みについて、「緩急が一番の武器」だと語る。佐藤奨はスピードボールで勝負する投手ではない。「同じテンポで投げないように心がけています」と言うように、“間”を制して打者を封じ込める駆け引きの投手である。
高校時代はエースとしてチームを甲子園へと導き、大学時代も東都2部リーグでMVPに輝くなど、各セクションで球速では測れない実力を示してきた。だが、佐藤奨は、これまで培ってきた投球術に対しても、まだまだシビアな目線を持っている。
「自分はあんまりスピードとかないので、細かいコントロールとか、変化球一個一個の精度を深めていかないと、上では通用しないのかなとは感じます」
その理由はアマチュア時代と比較した打者の質にある。
「どのバッターもしっかり振り抜いてくるバッターが多いので、スイングも強いですし、パワーもすごい。当たったら飛んでいくバッターばかりなので。そういう面では、タイミングを“しっかり”ずらさないと、簡単にヒットにされたりホームランに(されたりして)、失点につながりやすくなってしまう」
プロの世界では、さらにもう一段“深み”をもたなければ、一流選手と渡り合うのは難しいと考えているようである。