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佐藤奨真はスピードガンじゃ測れない。最速130キロ台で抑え込む芳醇なピッチング【#19】

2022/02/27

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千葉ロッテマリーンズ



「1試合1試合がチャンスだと思っている」

 将来像について訊いてみると、「(福岡)ソフトバンクホークスの和田(毅)投手のような、真っ直ぐで空振りをとれるのが理想です」と、同リーグで戦うベテラン左腕の名を挙げた。
 
 かつて西武のスラッガー山川穂高内野手も、「僕がプロ野球の中で球が一番速く見えたのは和田さんなんですよ。スピードガンだと140キロか、出ても145キロくらい。それでも、打席では(デニス・)サファテより速く見えました」と語っていた(弊サイト2018年2月取材)。ストレートを速く“見せる”老獪なピッチングは、まさに佐藤奨が追い求めるところだろう。生ける教材を間近で目撃するためには、やはり一軍の舞台へと上る必要がある。
 
 12月には、ファームでともに戦い、最多勝に輝くなど飛躍を遂げた森遼大朗投手が一足先に支配下登録に漕ぎつけた。昨季森に次ぐイニングを投げた佐藤奨も、後に続きたいところだ。
 
「とりあえず支配下登録が大前提。そこに向けて1試合1試合がチャンスだと思っているので、そこにしっかりと良いパフォーマンスができるような準備は、しっかりとやっていきたいと思います」

 その言葉通り、20日のヤクルト戦では、岩下大輝投手のコンディション不良に伴い、急遽代役で先発登板し、3回を無安打投球。24日のソフトバンク戦ではリリーフとして、栗原陵矢外野手ら一線級の打者を相手に三者凡退で終えるなど、少ないチャンスで猛アピールを続けている。
 
 持てる引き出しをフル活用し、140キロに満たないボールを一球一球丁寧に配球して強打者たちを捻じ伏せる。観る側からしてもこんなに痛快なことはないだろう。登板を経るごとに深みを増す“芳醇な”ピッチング。虜になるファンも少なくないはずだ。
 
 
取材・文 森田深志

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