“もうやばいな”…成田翔、7年目の覚悟。かつての金言「球速じゃないぞ」が開花の鍵に【#20】
2022/03/03
千葉ロッテマリーンズ
「本当にラストチャンスの気持ち」
毎年開幕前は、「今年は~」「今年は~」とまるでボジョレー・ヌーヴォーのように書き立てられるプロ野球選手だが、ここには一人、今年どうしてもやらなきゃいけない男がいる。ロッテの左腕・成田翔である。
「もうずっと今年は今年はって言っているんですけど、本当にもう7年目なので、今年こそは本当に成績を残さないと、“もうやばいな”とは自分でも思っている」
次の“今年”があるかわからない左腕は、「本当にラストチャンスの気持ちで、毎日練習や試合をやっています」と背水の覚悟を口にする。
秋田商から2015年ドラフト3位でロッテに入団し、身長170センチと体格は決して大きくないものの、キレのあるボールと高い奪三振能力で高卒ながら上位指名を勝ち取った。プロ入り後も、2018年に日米野球で野球日本代表「侍ジャパン」トップチームに追加招集されるなど、大きな期待を背負った。
だが、ここまでの通算成績は、6年間で15試合(22回1/3)に登板し、0勝2敗1ホールド、15奪三振、防御率5.64。未だプロ初勝利は掴めていない。昨季はイースタン・リーグで36試合に登板し、29回2/3を投げて、防御率1.82と好成績を残したが、一軍での出場機会に恵まれず、6月に登板した3試合(いずれも無失点)のみにとどまった。