寺嶋寛大、決意と覚悟の3年目。「自分の甘さを痛感」千葉のレジェンドを生きた教材に【マリーンズファーム通信#34】
大卒でプロ入りしたものの、過去2年間一度も一軍出場なし。プロ3年目を迎える寺嶋寛大は強い覚悟を持って、キャンプを送っている。
2017/02/13
千葉ロッテマリーンズ
苦悩の2年間
もがき苦しみながらの2年間が終わった。プロ3年目を迎える寺嶋寛大捕手は悲壮な決意で新シーズンに挑む。
これまで1軍出場の経験はない。ファームでも定位置を獲得していない。
悩み、自分を見失いかけたプロ野球人生。しかし、多くの先輩たちの声で再び前を向くことができた。
強い覚悟を持って石垣島春季キャンプに挑んでいる。
「大卒3年目ですからね。今年ダメだったらという思いがあります。だから、悔いが残らないように精一杯やろうと思っています。やり残したことがないように。結果がどうなるか分からない。ただ、全力で限界まで挑戦をしようと思っています」
なかなか光明を見出すことができないままプロ2年目が過ぎようとしていた8月のことだった。ロッテ浦和球場の室内練習場で打ち込んでいると大村巌2軍打撃コーチに声をかけられた。
「どうすればいいか分からない」と悩みを打ち明けると、静かに語りかけてくれた。
「オレも2年目ぐらいの時は試合に出ることができない日々が続いた。でも、チームで一番、練習をしてやろうと決めていた。それでダメだったら胸を張って地元・北海道に帰ろう。そう考えていた。こんなに努力しても通じない。それはもう仕方がない。プロってそんな世界だったと地元のみんなに言おうとね。ただ、努力したことについては胸を張れるように頑張ろうと決めていた」
その言葉は折れかけていた若者の心にスッと入ってきた。それから、徹底的に練習をすると決めた。時間を惜しまず、多少、疲れが出ても立ち上がった。
実力や技術はないかもしれない。それでもマリーンズの誰よりも練習をしてきたと胸を張れる自分でありたいと思った。
「自分の甘さを痛感しました。とにかく野球をやめることになっても悔いが残らないようにやろうと決めました。やり残したことはないようにします」