寺嶋寛大、決意と覚悟の3年目。「自分の甘さを痛感」千葉のレジェンドを生きた教材に【マリーンズファーム通信#34】
大卒でプロ入りしたものの、過去2年間一度も一軍出場なし。プロ3年目を迎える寺嶋寛大は強い覚悟を持って、キャンプを送っている。
2017/02/13
千葉ロッテマリーンズ
大ベテランを手本に
春季キャンプは2軍スタート。それでも前を向いた。
練習中、また大村コーチが声をかけてくれた。「せっかく生きた教材が身近にいるのだから、このチャンスを逃すなよ」と言って指を指した。
ハッとさせられた。
その先には2軍で調整を行っている球界屈指の大ベテラン選手たちが打撃練習を行っていた。
これまでは、恐れ多くてなかなか声をかけることも近づくこともできなかったが、悔いを残さないと決めた今年の寺嶋は違った。
アドバイスをもらった。次第に声をかけてもらえるようになった。福浦和也内野手に食事に誘ってもらった。
「いろいろな話を聞かせてもらいました。野球のことはもちろん。人生のこと。いろいろなことを教えてもらいました」
これまでは消極的だったウエイトも行うようになった。福浦からはベンチプレスを勧められた。
85キロを上げるのが精いっぱいの中、41歳の大ベテランは135キロを持ち上げた。決して大きくはない体ながら内に秘めているパワーに驚嘆した。そして自分の甘さを痛感した。
ある時、ウエイトと打撃には共通するものがあると教えてくれた。
どちらもずっと力を入れるのではない。一瞬。全身を使って一点に力を入れ込む。重い重量のベンチプレスも上げる瞬間に力を込める。それは打撃にも繋がるものがあると教えてくれた。なるほどと思った。
「今年はラストチャンスだと思っています。大卒3年で一度も1軍に上がっていない。決意と覚悟をもってやると決めています。キャンプがそのスタート。頑張ります」
多くのチームメイト、関係者が背番号「35」の目の色が変わったことに気が付いている。
ガムシャラに努力する姿勢に目を止めている。世の中、やはり見ている人はしっかりと見ているのだ。
アドバイスをくれるコーチ、先輩たちの優しさを胸に若者は背水の陣で3年目のシーズンに挑む。
後悔をしない1年を過ごすと決めた。
その先にはきっとキラキラと輝く未来が待っている。