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5盗塁を許した佐々木朗希。クイック、静止時間の癖をデータで検証する

2021/05/23

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DELTA



セットポジションの静止時間を計測。佐々木朗希に癖はあるか?

 では多く盗塁をされた原因は何だったのだろうか。クイックの次に可能性として考えられるのは、セットポジションに入って静止してから投球動作を開始するまでの時間だ。このセット静止時間が一定であれば、走者はスタートのタイミングを計りやすくなる。佐々木朗はセットポジションから一定のテンポで投げてしまっていたために多く盗塁されたのだろうか。

 イラストにはさきほどのクイックの時間と同様に、佐々木朗のセット静止時間を時系列に示した。青いプロットが上にプロットされるほどに静止時間が長い投球であることを表している。そしてプロットが横に一直線で並んでいれば、静止時間が一定であると考えられる。
 

 
 ここでは左側の2軍での登板から見ていこう。佐々木朗のセット静止時間を見ると、青いプロットがばらばらに散らばっていることがわかる。4秒を超える静止が長いものもあれば、1秒を切る短いものもある。
 
 次に1軍登板を見ると、こちらもプロットは直線的に並んでいるわけではない。ただ1~2秒の範囲にやや多くのプロットが集まっている。これをもって、この時間帯で投げがちな癖が出たと考える人もいるかもしれない。
 
 しかし、この試合ではじめにスタートを切られた2つの盗塁は、いずれも静止時間が2.5秒を超える比較的静止時間の長い投球だった。一塁走者は静止時間が1~2秒の投球だけでスタートを切っているわけではない。さきほど紹介したように2軍戦でも特に癖は出ていなかった。事前視察を行っていた西武のスカウトが「1~2秒の静止時間で投げる癖がある」と現場に報告した可能性は低そうだ。

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