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5盗塁を許した佐々木朗希。クイック、静止時間の癖をデータで検証する

2021/05/23

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徹底的に研究を重ねられる1軍の厳しさ。佐々木朗希は課題を克服できるか

 クイックに致命的と言えるほどの欠陥はなく、セット静止時間にも極端な癖はない。では何が原因でそれほど多くの盗塁を許してしまったのだろうか。ありえるのは、本塁へ投球するときと牽制するときで、明らかに異なる仕草・癖が出ていた可能性だ。佐々木朗が許した盗塁は、いずれも走者が素晴らしいスタートを切ったものだった。西武は事前の研究で牽制時の癖をつかんでいたのかもしれない。
 
 佐々木朗は一度登録を抹消され、次回の登板のタイミングをうかがっている。ほかの球団も今回の攻略法は当然把握しており、同じように弱点を突くことを検討しているはずだ。佐々木朗は次回登板までに問題を克服できるだろうか。今回の登板で、ボールそのものが1軍の打者相手に通用することは証明した。ただ佐々木朗が対戦するのは打者だけではなかった。1軍では2軍と違い、研究し尽くされあらゆる手段を使って攻略を図られる。佐々木朗の初登板はまた別の意味で1軍の厳しさを知る登板になった。
 
(※1)2021年プロ野球で走者一塁時に右投手が投球したときのデータ。映像で捉えることができたもののみを対象としている。データは5月9日終了時点。

 
DELTA@Deltagraphshttp://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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