「お前は真っすぐがいいんだから」。高卒2年目・横山陸人を導く存在とは 売り出し中のサイド右腕が語る未来【千葉ロッテマリーンズ・若手選手インタビュー連載#5】
2021/06/16
「まずはシンカー系のボールを」
現状の課題は、自信のある速球を生かすべく変化球の精度を磨くことにある。江村の言葉にもあったように、『変化球で自分が崩れることがないように』するためでもあるだろう。
「右のサイドスローなので、どうしても左バッターに対して打たれてしまうことがすごい多いので、その中でシンカー系のボールをきっちり投げることができれば、打たれる確率っていうのも少しは減っていくかなという風には思っていて、まずはそのシンカー系のボールっていうのを確実に習得できるようにという風に思っています」
このシンカーは、目標とする益田にとっても生命線となっている球だ。ものにした暁には、左右問わず勝ちパターンでの起用が期待できそうである。彼の中にもその青写真が浮かんでいるのだろう。
「今年の目標は、一軍で最後まで投げぬきたいという気持ちで。将来的には勝ちパターンで任せてもらえるようなピッチャーになれるよう目指して頑張ります」
取材を通して、横山は物事をシンプルに捉え、自分の頭の中をしっかりと整理できている投手だと感じた。益田や江村のように良い方向へと導いてくれる存在が、今後彼をさらに大きく成長させるだろう。そして将来チームを背負う立場となったとき、今度は自身が若い選手の道標となるような存在になるはずだ。すでに頼もしいかぎりの19歳だが、まだまだ伸びしろも十分だ。
取材・文 森田深志