小野郁が歩むクローザーへの道「益田さんを追い越せるように」 マリーンズ担う“バージョンアップ”に期待【千葉ロッテマリーンズ・若手選手インタビュー連載#6】
2021/07/07
意識する“同級生”の存在
シーズン序盤こそ崩れる場面が目立ち、2軍落ちも経験したが、復帰後は徐々に調子を取り戻している。セ・リーグとの交流戦では9試合を投げて自責点0と好投。「対戦したチームのほとんど、初球からどんどん振ってくるっていうのがあったので、初球を様子見で入るんじゃなくて、初球から勝負の気持ちで投げるようには、やっていました」と、復調のきっかけとした。
また、交流戦では意外な“再会”もあった。
対戦していて手強いと感じる打者はいるかと訊ねたところ、
「手強いなっていう感じではないですけど、巨人の同級生で岡本(和真)くんが。今年対戦して、フォアボールだったんですけど、やっぱり同級生なのになんか、すごいなんか、バッターボックスでは雰囲気があって、ほんと同級生とは思えないぐらいオーラがあるというか、雰囲気がある感じで、投げてて嫌な感じはありました」
と答えてくれた。6月13日の巨人戦7回2死満塁でマウンドに上がった小野は、岡本に対し、150キロを超える速球を次々と投げ込んだが、結果は押し出し四球だった。
「(岡本とは)たまに喋ったりもするような関係で、岡本くんがまだファームでやっているとき、僕も何度か対戦して、ホームランも打たれてたりしてました。だからまあすごいなと思っていて、(今回)久しぶりに対戦して、よりバージョンアップしていて」
意識する“同級生”との対決は今後も見ることができそうだ。今回は岡本に軍配が上がったが、やられてばかりではいけないだろう。次の対決は、来年の交流戦か、あるいは今年の日本シリーズか。
最後に今後の抱負を訊くと、
「後半戦は、前半戦以上に緊迫した場面で投げさせてもらえるように、任された場面をしっかり抑えて、いつでもチームに貢献できるようにやっていきたい。ゆくゆくは、益田さんに追いついて、益田さんを追い越せるように。後ろを任されるように頑張っていきたい」
と語ってくれた。
必要としてくれるチーム、手本となる存在、そしてライバル。小野はいま、自分を成長させてくれる人たちに恵まれているように感じた。その中で今後どんな「バージョンアップ」を遂げるのか。剛球投手のこれからに注目していきたい。
取材・文 森田深志