『左は永野がいる』と言われるように。永野将司は転んでもただでは起きない投手だ【千葉ロッテマリーンズ・若手選手インタビュー連載#8】
2021/07/21
不安障害にも前向きに「ホームだけでも60~70試合ある」
今回の取材を通して、永野は、さまざまな経験に恵まれた投手であると感じた。一見回り道に見えてもその道には出会うべき人がいて、課題や障害があってもそれを乗り越える経験がさらに彼を大きくする。転んでもただでは起きぬタイプだ。今年も故障で出遅れたが、その分また強くなって帰ってきたのではないだろうか。
2019年には広場恐怖症であることを公表した。プロ生活への影響について訊ねると、球団のサポートもあり前向きに症状と付き合っている様子で、
「ホームだけでも60~70試合ある計算なんで、(まずは)関東でしっかり結果出せるようにして、その結果で自信に繋がっていけばいいなと。最終的にオフシーズンとかを使って完治したらいい」
と力強く答えてくれた。この経験も必ずや糧にする、そんな気概が見えた。
「どんどんアピールして8月、9月、10月どれかで一軍に上がって、そこから定着できるように。最終的には、(ロッテは)左投手が少ないので、『左は永野がいる』と、しっかり信頼されるような投手になるのが目標です」
『左は永野がいる』。近い将来ファンにもそう言わしめるような頼もしい存在へ。今後の活躍に期待したい。
取材・文 森田深志