ドラフト2023候補の注目遊撃手…仙台大・辻本倫太郎が神宮で輝くまでの歩み
2022/11/22
川浪康太郎
グラウンドで輝く姿を来年も
打撃では苦しむ時期もあったが、その期間も変わらず武器であり続けたのが、「守備力」と「野球に取り組む姿勢」だ。
体重、筋肉量が増えたことで肩の強さに磨きがかかった一方、元来の強みである瞬発力も維持。守備範囲の広さや軽快なステップ、正確なスローイングで、何度も投手を助けた。大学日本代表で慣れない三塁を守り、内野守備に関する視野が広がったことや、同じ遊撃手の明治大・宗山塁内野手(2年=広陵)の動きを徹底的に観察したことなども、守備面でさらなる進化を遂げた要因だ。
そして辻本の最大の武器と言っても過言ではないのが、グラウンドでの全力プレー。毎回全力疾走で守備につき、明るい笑顔と声出しで場を盛り上げる。苦しんだ秋のリーグ戦期間中も「自分はチームの顔なので、打てなくても落ち込んだり、他のことを疎かにしたりすることは絶対にしてはいけない」との言葉通り、前を向き続けた
「周りの人に、『良い選手だな』といろんな意味で思ってもらえるような選手を目指している」。多くのファンを魅了してきた辻本は、大学ラストイヤーでまた一段と輝くことができるか。真価の問われる新たな1年が始まろうとしている。
取材・文 川浪康太郎