日韓戦で“引導”を渡した侍ジャパン 懸念される韓国野球界の未来とは…【WBC2023コラム】
2023/03/11
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WBC2023 最新情報
WBC1次リーグB組が10日、東京ドームで行われ、初戦で中国に快勝し、連勝を狙う日本代表・侍ジャパンは、宿敵・韓国を13-4の大差で撃破。開幕2連勝と最高のスタートを切った上に、WBCでの「日韓戦」通算対戦成績を5勝4敗とした。
侍ジャパンの先発は、日本では日本ハム時代の2011年、クライマックスシリーズ以来、12年ぶりのマウンドとなるダルビッシュ有。昨年はパドレスのローテーションの柱としてレギュラーシーズンで16勝、ポストシーズンでも4試合に先発して防御率2.88と大舞台でも安定したパフォーマンスを見せた。3大会ぶりに参加する今回は、兄貴分的存在として、キャンプから、年下のナインにも積極的に声を掛け、チームを鼓舞する大黒柱だ。この一戦では3回48球を被安打3、3失点の内容で勝ち投手となった。
WBCを彩ってきた日韓戦の歴史
侍ジャパンが戦うプールBで最大のライバルと目されていた韓国。WBCでの対戦成績は4勝4敗と五分。2013年、2017年と直近2大会は1次ラウンド敗退に終わっているが、イチローが優勝をつかむ中前タイムリーを放った2009年大会決勝の激闘を記憶しているファンは多いだろう。
しかし、韓国は初戦のオーストラリア戦を7-8で落とし黒星発進。3発の被弾に加え、7回にはカン・ペクホが二塁打を放った際に、喜びのあまりベースを離れてしまいタッチアウトとなる凡ミスも響いた。
いきなり1次ラウンド突破へ厳しい状況に立たされる中、イ・ガンチョル監督は、「日本戦は特別」と語り、「1次ラウンド突破のためには負けられない。総力戦になる」と、登板可能な投手を全員スタンバイさせた。
韓国にとって本大会は、汚名返上の舞台でもある。2021年東京五輪では、スター選手を招集したものの、結果は3勝4敗で、参加6チーム中4位と、メダルにも届かなかった。準決勝の日本戦では、終盤に守備のミスとリリーフ陣の乱調で敗れている。
プロが参加する国際大会での日韓戦は今回で38回目。通算対戦成績では韓国が19勝18敗と勝ち越してはいるが、ここ直近3戦では敗れている。
前2大会は上位進出を見据えてピークを合わせるのに失敗、1次ラウンドで敗退した。今大会、その反省を踏まえたつもりが、初戦でつまずいたことで、一気にギアを上げてくるのは間違いない…はずだったが。