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日韓戦で“引導”を渡した侍ジャパン 懸念される韓国野球界の未来とは…【WBC2023コラム】

2023/03/11

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後がない韓国は「日本キラー」をマウンドへ

 連敗は許されない韓国は、東京五輪には出場していないものの、前回大会を経験しているキム・グァンヒョン(SSG)を先発マウンドに送った。2008年北京五輪準決勝では、8回5奪三振2失点の好投で、日本を敗退に追いやり「日本キラー」の異名を取る34歳のベテラン左腕だ。
 
 そして、第2先発候補には、韓国通算159勝の左腕ヤン・ヒョンジョン(起亜)が控えており、先制逃げ切りを狙いたいところだ。
 

 
 他の救援投手陣はやや小粒な印象がある一方で、野手は役者揃いだ。看板は1998年から2001年まで中日ドラゴンズでプレーしたイ・ジョンボムを父に持ち、昨季、打率.349、193安打で2年連続の首位打者を獲得。113打点で打点王の2冠を獲得し、確実性と勝負強さを兼ね備え、韓国リーグMVPに輝いた“韓国のイチロー”の異名を取る左打者のイ・ジョンフ(キウム)が3番を打ち、続く4番のパクピョンホ(KTウィズ)は昨季を含め本塁打王6度を誇るパワーヒッターだ。
 
 父が中日で活躍していた1998年に名古屋で生まれたイ・ジョンフには、米大リーグ公式サイトも注目しており、今大会登録選手の中で選ぶポジション別の最高選手として、米国代表のトラウト(エンゼルス)、ベッツ(ドジャース)の両メジャーMVP経験者とともに紹介された。メジャーリーガー以外から唯一の選出となった。際立つのが打撃の確実性だ。1年目の2017年から打率3割台をマークし続け、通算.342を誇る。巧みなバットコントロールで2021年は打率.360を記録。韓国リーグのサイトによると、昨季は2球目までの打率が.440と高く、好球必打が光る。東京五輪準決勝の日本戦では、山本から二塁打を放つなど4打数2安打と、一人気を吐いた。
 
 韓国メディアによると、代表が練習する米国で「(準決勝が行われる)米国にまた戻れるように最善を尽くす」と意気込みを表している。さらに今オフ。ポスティングシステムによる大リーグ挑戦の意向を明らかにしている。今大会は自身の実力を世界に示す格好の機会にもなる。
 
 さらに。韓国のキーマンとなる選手は、米国人の父と韓国人の母の間に生まれたスイッチヒッターで、メジャー屈指の守備力を誇るトミー・エドマン(カージナルス)だ。1、2番打者で、二遊間を務めるエドマンとキム・ハソン(パドレス)のコンビについて、大リーグ公式サイトは「韓国の二遊間は今大会ベストの可能性を秘めている」と紹介している。
 
 エドマンの昨季の打撃成績は.265、13本塁打、57打点。突出した数字ではないが、米の記録サイト「ベースボール・リファレンス」は、走攻守の総合評価で勝利への貢献度を表す指標「WAR(Wins Above Replacement)」で、メジャー全野手中10位の値をつけた。
 その背景には、安打性の打球を凡打に変える守備力がある。メジャーでプレーした4年間のうち、主に二塁を守った3季は守備率99%を記録。また、ここ2季は平均的なプレーと比較してどれだけアウトを稼いだかを示すOAA(Outs Above Average)値も急上昇。守備範囲を大きく広げている。
 
 エドマンは、“相棒”のキム・ハソンについて「守備がうまく、ナイスガイ。彼と真ん中でプレーできることに興奮している」と語っており、韓国語は話せなくとも、コンビネーションに支障はない。エドマンは「胸の中にはチーム・コリアがある。母はよくプルコギやキムチを作ってくれた」と明るく語る。早くも日本のリードオフマンの地位を確立したヌートバーのように、チームの起爆剤になる可能性を秘めている。

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