大谷翔平、見納めの“リアル二刀流”で躍動! 全勝での世界一に向け決勝ラウンドへ【WBC2023コラム】
2023/03/17
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吠える大谷!WBC“最後のマウンド”で5K 打ではセーフティーバントで躍動
イタリアの先発は10日の台湾戦で2回45球を被安打3、2失点だった右腕のライアン・カステラーニ。現在はFAの身だが、昨季はアスレチックスで3試合に登板。2回2/3を投げて防御率0.00の成績を残した。メジャー通算は3年間で14試合に登板し1勝4敗、防御率5.47。大きく曲がる“お化けカーブ”が武器で、メッツの大エース、マックス・シャーザーにそっくりのスリークォーターのフォームでも話題になった。
大谷は、左打者を6人並べるイタリア打線を相手に130キロ後半のスライダーを中心に組み立て、初回いきなり三振を奪う。この回、1安打許したが、上々の立ち上がりを見せる。
その裏、日本は先頭のヌートバーが鋭い打球を左前に飛ばし出塁。続く牧が歩くと、大谷はピッチャー返しのライナーを放つが、遊撃手が二塁ベース横に構える“大谷シフト”の網にかかってしまう。続く吉田、村上を倒れ、先制機を逃す。
2回からエンジンがかかってきた大谷は、観客席にも届くほどの叫び声とともに腕を振り、MAX164キロの豪速球も披露。この回2三振を奪う。3回には、親友のデビット・フレッチャーとの直接が実現。三ゴロに打ち取り、相手に見せ付けるようにガッツポーズする“遊び心”も垣間見せた。
3回からイタリアのマウンドに上がったのは、今大会3度目の登板となる24歳の左腕ラソーラ。キューバ戦、オランダ戦ともに短いイニングながら無安打に抑えている。しかし、日本打線はラソーラに襲い掛かり、一死後、近藤が歩くと、ここで大谷が意表を突くセーフティーバント。ラソーラの悪送球を誘い、近藤は三塁まで進塁、続く吉田の遊ゴロの間に生還し、貴重な先制点。さらに村上が歩くと、ここで岡本が“盟主・巨人の4番”の底力を見せ、レフトスタンドに今大会初アーチとなる3ランを運び、この回一気に4点を奪った。
大谷は4回、初めて2人の走者を背負うが、マストロブオーニの大飛球を吉田がフェンスに激突しながらにナイスキャッチ。相手に流れを渡さない。4回から登板したパランテは昨シーズン、カージナルスでメジャーデビューを果たした長身右腕。MAX156キロを誇るものの、制球に苦しみ、一死後、甲斐を歩かせると、打席に迎えたのはチームメートでもあるヌートバー。同門対決はヌートバーの三振でパランテに軍配が上がり、後続の近藤も二ゴロを抑えた。
5回もマウンドに上がった大谷は、デルジオに死球を与えると、デビット・フレッチャーとの親友対決第2ラウンドは詰まらせながらもライト前に運ばれ、この回初めて三塁に走者を進められ一死1、3塁のピンチを迎える。二死後、ロペスをこの日2つ目の死球で歩かせ満塁とされる。ここでドミニク・フレッチャーに157キロのツーシームを右前に運ばれ、走者2人が帰り、2点差となったところで、マウンドを伊藤に譲る。伊藤は、153キロのストレートでサリバンを遊飛に抑え、このピンチを切り抜けた。