協会・連盟の分裂問題、陽岱鋼の辞退……揺れた台湾代表。郭泰源監督は国民の悲観論を覆せるか【WBC戦力分析】
ワールド・クラシック・ベースボール(WBC)で台湾代表は、1次ラウンド・プールAでイスラエル、オランダ、韓国の順に対戦する。今大会の台湾代表監督は、現役時代は埼玉西武ライオンズで「オリエンタル・エクスプレス」と呼ばれ活躍した郭泰源氏。しかし、台湾代表の招集は第2回大会が開催された2009年と同じように「分裂」し、参加を拒否する球団もあった。
2017/02/25
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協会と連盟の分裂
今回の台湾代表招致は、最初から意見対立という状況になった。2013年に開催された第3回WBCは、台湾プロ野球連盟「CPBL」が全ての代表選手を招致し、中華民国野球協会「CTBA」がサポートするという形になったが、今回はまず誰が代表を招致するかで対立し、台湾国内でも頻繁にニュースが流れた。その結果、CTBAが主導権をもらうことになり、CPBLに所属するラミゴ・モンキーズは今回の代表派遣を拒否した。
分裂は代表招致だけではなく、どこで練習を行うかにも及んだ。最初は全て日本でキャンプを行う方針だったが、球場を決めるまで時間がかかり、結局先にオーストラリアでキャンプを行うことになった。
しかし、現在真夏で気温40度を超えるオーストラリアは、WBCの1次ラウンドが開催される韓国・ソウルの球場と比べて高温で、全く違う環境だった。南国と呼ばれる台湾なので、選手たちはキャンプ中の暑さには慣れると思うが、本番が行われる韓国の低温への適応が課題になるかもしれない。
また、国内では「練習試合の相手が弱い」という声も聞かれた。オーストラリアキャンプで組まれる練習試合の相手は、半分以上がアマチュアチームで、球場も韓国の人工芝とは違う。2月後半には台湾代表は神戸に行く予定で、そこでの練習試合の相手も全てアマチュアチームだ。
2月20日と21日のキューバ代表との練習試合が唯一の代表チーム相手となっており、台湾野球ファンの間では、「(オーストラリアでの練習試合に)勝っても意味ない」、「オーストラリアに行く必要ない」、「台湾でやればいい」と批判が続出した。