侍Jのライバル・キューバ。野手陣は一線級も不安は未知数の投手陣か【WBC戦力分析】
2017/03/02
高橋康光
プールBで日本代表と対戦予定のWBCキューバ代表。数々の国際大会で実績を上げてきた古豪が、再び日本代表の前に立ちはだかる。
しかし、近年はヨニエス・セスペデス外野手、ユリエスキ・グリエル内野手、ヤシエル・プイーグ外野手、アロルディス・チャップマン投手など、選手の亡命が相次いでいる。そのような状況の中、米国との国交正常化の影響もあり、昨年には亡命組のWBC参加を認める可能性も示唆されていた。しかし、結局は国内組で代表チームを構成することになった。
野手陣は、福岡ソフトバンクホークスに移籍したアルフレド・デスパイネ外野手が中心選手となる。デスパイネは2014年から日本球界に所属しており、侍ジャパンの投手陣とはほぼ対戦経験があり、国際試合の経験も豊富。持ち前の長打力で、チームを勢いづける活躍が期待される。
2015年まで読売ジャイアンツに所属していたフレデリク・セペダ外野手も4大会連続で出場予定だ。セペダは日本球界では思うような成績が残せなかったが、第1回のWBCでは打率.385、第2回では打率.500を記録しており、五輪でも活躍を見せるなど国際試合では無類の勝負強さを発揮してきた。昨季は半月板損傷と右肘の靭帯損傷に苦しめられていたが、復活した姿を見せることは出来るだろうか。
また、前大会で監督を務めたビクトル・メサ氏の息子であるビクトル・メサ・ジュニア外野手や、ニューヨーク・メッツのヨエニス・セスペデス外野手の弟であるヨアルキス・セスペデス外野手のような脚を使える選手も多い。打撃力だけでなく走力・守備力も高い布陣となっており、古豪らしい抜け目のない攻撃を仕掛けてくることは間違いないだろう。
投手陣は、今大会エースとして期待されていたフレディ・アルバレスが怪我のため辞退。アルバレスは第3回WBC、プレミア12にも出場経験があり、国際試合の経験も豊富だっただけに、大きな戦力ダウンとなるだろう。アルバレスの代わりには、予備登録されていたホンデル・マルティネス投手が本メンバーに登録された。
その他には、キューバの“奪三振マシーン”であるヨアンニ・イエラ、速球派のブラディミール・ガルシアなどが控えているが、国際試合で目ぼしい実績がない。国内リーグでの実績はあるだけに、キューバリーグのレベルの高さを海外勢に今一度証明したいところだ。
実力は未知数なキューバ代表だが、2月上旬に行われた、中南米5カ国の各国・地域ウインターリーグを勝ち上がったチームで争われる「カリビアン・シリーズ」では、同国のアラサネス・デ・グランマが総当たりのリーグ戦で3勝1敗、準決勝進出の成績を収めている。
カリブの古豪が、侍ジャパンの最初の強敵として立ちはだかるのは間違いないだろう。
※当初、「カリビアン・シリーズ」について、各国代表チームが出場していると認識されるような表現がありました。正しくは、各国・地域のウインターリーグを勝ち上がったチームが出場する大会です。また、フレディ・アルバレス投手の辞退に関しましても、事実と異なる表記がありました。訂正しお詫びいたします。訂正しお詫びいたします。