イスラエルの快進撃は偶然ではない。2次Rも不敵な自信、熟知する短期決戦の戦い方
12日からワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2次ラウンドが始まる。1次ラウンドのプールAを1位で突破したイスラエルは、予選ラウンドからここまで快進撃を続け今大会のダークホース的な存在になっている。ジェリー・ウェインスタイン監督をはじめ、イスラエルの国を背負って戦うチームはどのような思いで次なる戦いへ臨むのだろうか。
2017/03/12
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百戦錬磨の指揮官
11日、プールA1位のイスラエルが東京ドームで公式練習を行った。
10時からの練習ではバッティング練習と東京ドームの人工芝などを確認。プールAの初戦で韓国を破るなど3連勝を飾ったことで「台風の目」と言われているが、練習後の記者会見でジェリー・ウェインスタイン監督やエースのジェイソン・マーキー投手などに話を聞くと、彼らの躍進が決してフロックではなかったことが理解できた。
ウェインスタイン監督は2次Rに挑むにあたっての意気込みをこう語る。
「私たちの焦点は自分たちのチームに向いている。私たちの立場は、相手がどうかということを述べるよりも自分たちができることをすること。監督としては、できないことをやろうとしないように、できることをしようと心掛けてマネージメントしている」
かつて五輪を2度経験したウェインスタイン監督は百戦錬磨の指揮官だ。短期決戦は戦いになれている。試合にビジョンも明確である。
「継投に関しては、正しい状況で、正しいマッチアップをしたい。高いレバレッジが掛かる場面(編注:試合に影響を与えかねない重要な場面)では、ベストな投手を送る。私は今回のような短期決戦、ダブルイリミネーション方式のトーナメントをこれまで戦ってきたが、監督として心掛けているのは、短期決戦はより細部に気を付けなければならないということ。
時に5・6回にクローザーを投入することも。今日勝たなければいけない、明日のゲームが重要だというとき、それぞれ形が変わる。トーナメントの140~160試合とは違う。ショートタイムのトーナメントはブルペンのでき1つで状況は変わり、大きな理想像を掲げるなかでも、小さなピース、コマ1つひとつ、投手が投じる1球1球、それが非常に重要」
明日の初戦・キューバ戦にはマーキーを先発させると明言。1次Rで2試合に先発して好投をみせたベテランに大きな期待を寄せた。