侍J、難敵イスラエルどう倒す?早打ち&豪速球は要警戒。千賀のフォークが有効か
第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は2次ラウンドに入り、侍ジャパンは14日にキューバに勝利し今大会5連勝とした。そして、このラウンド最後に対戦するのは1次ラウンドを3連勝で突破し旋風を巻き起こしているイスラエルだ。ユダヤ系米国人を揃えたメンバーには、過去にメジャーリーグで活躍した選手も名を連ねている。互いの先発投手も予告された上で、全勝で決勝ラウンドに進みたい侍ジャパンが投打でどのように戦うべきかに迫る。
2017/03/15
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イスラエル打線の早打ちに注意
15日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の2次ラウンドで侍ジャパンとイスラエル代表が対戦する。2次ラウンドを2勝0敗と勢いに乗っている侍ジャパンは3勝0敗として1位で決勝ラウンドに進みたいところだ。
一方、今大会がWBC初出場のイスラエルは下馬評を覆し、1次ラウンドを3戦3勝。世界ランキングは41位ながらも、韓国(3位)、台湾(4位)、オランダ(9位)を撃破し、世界にイスラエル旋風を巻き起こした。2次ラウンドの第2戦のオランダ戦で初黒星となるコールド負けを喫するが、1勝1敗として、こちらも決勝ラウンド進出を目指し、全力で日本に勝ちに来る。
打線は2012年にニューヨーク・メッツで打率.227ながらも32本塁打、90打点を記録したアイク・デービス内野手が5試合で13打数7安打、打率.538、2打点と絶好調である。また、1次ラウンドのMVPのライアン・ラバーンウェイ捕手も5試合を終了して15打数7安打、打率.467、1本塁打、4打点と好調を維持している。
オランダのようにMLBの一線級のスター選手はいないが、他にも、ネイト・フレイマン内野手は長身を武器に今大会2本塁打、タイラー・クリーガー内野手はクリーブランド・インディアンスの有望株トップ20にランクインしている期待の若手がスタメンに名を連ねている。また、1番・サム・フルド外野手に2番・タイ・ケリー内野手は本塁打を放つパワーはないが、2人とも芯で捉える能力はあり、特にフルドは足も速いので、不用意に出塁させないように要注意だ。
侍ジャパンの投手陣はイスラエル打線の早打ちに気をつけておきたいところである。イスラエル打線は初球から積極的にバットを振ってくる。初球の甘い球、カウントを整える球を見逃さないのだ。例えば、イスラエル打線が爆発したチャイニーズ・タイペイ戦では20安打のうち、初球を打って安打にした回数が8回、2球目を安打にした回数が3回と、半分以上の安打を早いカウントからの攻撃で記録した。(ちなみに侍ジャパンが11対6で勝利したキューバ戦での初球打ちの安打の回数は0回である)
特に早打ちが顕著なのが、遊撃手のスコット・バーチャム内野手である。韓国戦の8回2死満塁で呉昇桓投手が登板したときも初球から直球に絞り振ってきた。彼はA級のマイナーリーガーだが、バリバリのメジャーリーガーを相手に満塁のチャンスで初球からフルスイングをすることができる。バーチャムは他の試合でも初球から積極的に狙って行き、21打席のうち、14打席で初球をスイングしている。
侍ジャパンの投手陣としては韓国が攻めたように、ストライクゾーンを広く使い、コントロール良く外角のチェンジアップやフォークボールなどの変化球で三振を狙っていきたい。
そのため、千賀滉大投手の起用は適切だと言える。千賀のフォークの落差を経験したことがある選手はいないはずだ。ストレートを狙いに来ている打線をスライダーでかわしつつ、フォークで仕留める。このような投球が理想ではないだろうか。そして、常にコーナーを意識して投げれば、そう簡単に打たれることはないだろう。