侍J、難敵イスラエルどう倒す?早打ち&豪速球は要警戒。千賀のフォークが有効か
第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は2次ラウンドに入り、侍ジャパンは14日にキューバに勝利し今大会5連勝とした。そして、このラウンド最後に対戦するのは1次ラウンドを3連勝で突破し旋風を巻き起こしているイスラエルだ。ユダヤ系米国人を揃えたメンバーには、過去にメジャーリーグで活躍した選手も名を連ねている。互いの先発投手も予告された上で、全勝で決勝ラウンドに進みたい侍ジャパンが投打でどのように戦うべきかに迫る。
2017/03/15
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相手先発ザイドに球数を投げさせたい
また、ブルペン陣も常に準備をしておきたい。14日の試合ではエースの菅野智之投手がまさかのキューバ打線相手に打ち込まれる展開となった。いかなる展開に持ち込まれても、最善の投手を送り込み、勝ち切ることができるようにしておくべきだ。
千賀は今大会の初先発がいきなりの大一番だ。幸い、準決勝までは中4日以上日程が空いているので、中継ぎ投手が50球以上投げることも可能である。先発経験者もブルペンには控えているので、ロングリリーフも任せられるように、準備をしておくことが必要だろう。
一方、イスラエル先発は、過去5試合でクローザーを務めていたジョシュ・ザイド投手が初の先発を務めることになった。クローザーとして好投を重ねていたザイドは、今大会のイスラエルで最も調子の良い投手だ。キューバ戦では最速155キロをマーク。切れ味鋭いスライダーも持ち合わせ、キューバ打線を完璧に封じ込んだ。また、彼は韓国戦でも登板し、最後の3回で4三振とイスラエルのアップセットに大きく貢献している。今回の先発では全力で投げることができるイニングまで投げると思われる。
そして、イスラエルは中継ぎにも注意すべき選手がいる。2次ラウンドから登録されているブラッド・ゴールドバーグ投手が注目だ。米国では最速99マイル(約159キロ)を記録。キューバ戦では150キロ半ばの直球を連発するなど、直球の威力が自慢の投手だ。また、左腕のジェイク・ケイリシュ投手も、2次ラウンドのオランダ戦で失点したものの、マイナーで活躍をして、順調にステップアップしている選手で要注意だ。
しかし、一方で、彼ら以外の投手は決してレベルが高いとは言えない。MLBの球団所属といえども、マイナーリーグの選手中心のラインナップである。決勝ラウンドへ進むためには、彼らを普通に打つことができなければ、米国やドミニカ共和国の投手を捉えることは難しいだろう。
侍ジャパン打線としてはとにかくザイドに球数を投げさせて、早い回でマウンドから下ろしたい。WBCの3試合で6回、1安打と全く打たれていない投球を見せているが、4四球と荒れ気味でもある。高めのボール球の直球や、外角のスライダーをいかに見極めることができるのかが大事になるだろう。早めにマウンドから下ろせば、後続はザイドに比べれば打ちやすい投手陣が控えている。
イスラエル代表は全力で侍ジャパンに立ち向かい、決勝ラウンド進出を狙いに来る。マイナーリーガーが多い彼らはまた、自分自身のMLB昇格のために球団にアピールする必要があり、良いプレーを見せなければならない。民族の誇りとともに、力を出さなければならない理由が存在する。
しかし、王座奪還を目指す侍ジャパンにとっては軽く破らなければならない相手であるのも事実だ。ホーム球場で声援も多く、有利な環境は揃っている。個々の実力をしっかり出せれば、負ける相手ではないはずだ。