焼津から世界へ。牧田と増井、侍Jダブルクローザーは同郷・同学年の最強コンビ
第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で決勝ラウンドに進出し、16日に米国へ向かって飛び立った侍ジャパン。そのメンバーのなかには、小学校からの幼馴染とともに国を背負ってプレーできていることに驚きや喜びを感じている2人がいる。
2017/03/18
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同学年で同じ市出身の2人
人口約14万人の町がひそかに盛り上がりを見せている。
「同じ市から同時に2人が選ばれることはなかなかないことですので、市の方でも大きな喜びとして、誇りとして、2人を応援しています」
そう語るのは静岡県焼津市スポーツ振興課の鷲野誠さんだ。
WBC決勝ラウンド進出を決めた侍Jのブルペンには、焼津市の出身者が2人いる。
東京ラウンドでクローザーを務めて1勝2Sをあげた牧田和久(西武)。死闘となったオランダ戦の8回裏2死満塁の窮地で登板してメジャーリーガーを抑えた増井浩俊(日本ハム)。しかも、彼らはともに84年生まれの同学年なのである。
「自チーム以外の選手では一番仲がいい」と増井が言えば、「幼馴染というか、小学校のころから知っているし、自分にとっては嬉しい存在」と牧田は微笑む。
正反対と言っていいほど、2人のピッチングスタイルは異なる。増井は150キロを超えるストレートとフォークを武器にパワーピッチを見せ、牧田はサブマリンから多彩な変化球を駆使して、コントロールよく投げこむ。
「特別なものをもっている人の集まり」と牧田は侍ジャパンについて語るが、その中に同学年で、同じ市内出身の人間がいるのだから、人生とは面白い。
ともに、小・中学は地元の軟式野球で腕を磨いた。増井は静岡高、牧田は静清工(現在は静清)に進学。甲子園出場は2人とも叶わなかったが、大学・社会人を経て、増井は2009年、牧田は2010年のドラフト会議で指名され、プロ入りを果たした。