米国に挑む侍J、勝利のカギはDH。決勝進出へ攻撃的布陣で接戦に持ち込め
第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、22日に侍ジャパンと米国による準決勝が行われる。第2回大会以来の世界一を目指す侍ジャパンにとって、練習試合を除けば今大会初となる米国での試合になるが、一流メジャーリーガーが揃う強敵相手に有効な布陣とは何なのか。また、どのような展開に持ち込めば勝機を見出すことができるのだろうか。
2017/03/21
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リスクマネジメントをした攻撃的布陣
一方の攻撃陣は、どのような布陣を敷くか、注目される。日本ラウンドとは異なる球場になる影響をどうリスクマネジメントしながら、攻撃的な布陣を組むか。注目はDHの使い方だ。
これまでの侍JのDHは山田哲人内野手(ヤクルト)が務めてきた。山田と同じポジションの菊池涼介内野手(広島)の守備力を生かすため、二人を併用する上では避けられない起用だった。
しかし、1点でも失点を防ぐと考えたときに、外野手の布陣が青木宣親(アストロズ)と筒香嘉智(DeNA)の併用というのはかなり厳しい。ともに、スローイングに課題があり、守備範囲も考慮に入れると、鈴木誠也(広島)・秋山翔吾(西武)のダブル出場も視野に入ってくる。
とはいえ、山田の守備力にも課題がある。菊池の出場は絶対と仮定したらば、山田を本職ではない三塁手に置くことになるが、昨秋の強化試合ではスローイング難を露呈した。山田を二塁にして、三塁に菊池を回すという手もあるが、守備範囲では菊池に比べて劣る。そのあたりの選択が難しい。
打線の方は、日本ラウンドほどホームランが出ないと指摘されているが、たとえそうであったとしても、侍Jにはもう1つの点の取り方を持っている。それは、単打や二塁打に走塁を絡めた攻撃での得点力だ。
どの場面でも盗塁ができるタイプは、青木、山田、菊池、鈴木と選手は限られてしまうが、塁上にいれば好走塁を仕掛ける選手はかなり多い。スタメンだけでなく、ベンチにも控えているだけに、走塁力を生かしていきたい。
走者一塁からの単打で一、三塁の局面を作る。長打ならホームに生還する。あるいは、走者二塁からヒット一本で生還するという攻撃を仕掛けることができるはずだ。
打線にもおのずと走塁力に長けた選手のメンバー入りが必要になってくるが、こちらも、守備的な選手起用との兼ね合いでどう起用をしていくかがポイントになる。
小久保裕紀監督はこれまで柔軟性のある打線の組み方をしてきた。アリゾナでの練習試合では、山田のセカンド起用や筒香をDHにするなどの試験をあせているのも気になるところだ。どう挑むか注目したい。