侍ジャパンは投打で「カウント作り」を制した。国際試合でも自分のタイミングに“立ち返る”ことの重要性【プレミア12】
「第2回WBSCプレミア12」は13日にスーパーラウンド3日目を迎え、野球日本代表「侍ジャパン」は、グループAを1位通過したメキシコ代表と対戦して3-1で勝利。ラウンド通算3勝1敗とした。勝負を分けたのは「カウント作り」にある。
2019/11/14
Getty Images
カウント勝負をいかに有利に持っていくか
ただ、この攻撃は「ファーストストライクを狙う」「積極性を前面に出す」ことをチームとしてかなり意図的にしたからではない。
金子誠ヘッドコーチは課題として言われ続けている「動くボール」に対してのアジャストメントをこう語る。
「あたりが出ていなかった選手にヒットが出たことも良かったんですけど、スイングの動きが出てきたことが良かったです。ただ、それはファーストストライクから積極的に狙いに行こうという指示を出したわけじゃないです。
外国人投手の強くて動くボールが課題と言われますけど、こういう国際大会でよくないのは、相手の投手のボールに対してタイミングが取りにくいだろうと思いすぎてしまって、打者の体が固まってしまうこと。
ですから、動こうと、打席の中でリズムをとって体を動かしていく。相手投手の球筋ばかりを気にするのではなくて、自分がバッターボックスでどういうタイミングの取り方をするかに立ち返る。甘いボールにたいして、反応していける準備ができていた」
迷いなくスイングしやすいカウントが打者それぞれにあって、ファーストストライクだと考えるのが大方のバッターだ。そして、ボール1やボール2、2ボール1ストライクなど打者有利なカウントも振っていきやすい。つまり、前日の敗戦や、これまで相手投手を打ち崩しきれなかった背景には、打席のなかでの勝負に迷いがあったからとも言えたのだ。
カウント勝負をいかに有利に持っていくか。
その中でコンタクトしていく必要があったわけだ。
もちろん、「カウント勝負」といっても、2ストライクに追い込まれてしまったからといって絶望になるわけではない。カウント2ストライクナッシングはフルスイングしにくいカウントではあるが、1−2、2−2、3−2と粘りながら食らいついていくと、投打の両者の腕の振りは投手有利から次第に互角になっていく。両者の心理が少しずつ変化していくところに狙い目も生まれる。
2回にも追加点を挙げた。8番會澤翼の四球から1死一、二塁のチャンスを掴むと、坂本が2ボールからの3球目をスイングして適時打にしたものだ。打者有利なカウントから振りにいき、坂本らしいスイングでの適時打だった。