侍ジャパン、初優勝へ「総力戦」で臨む日韓戦。「いい感じ」の外崎と正捕手筆頭・會澤の起用法が鍵【プレミア12決勝戦展望】
野球日本代表「侍ジャパン」は、17日の決勝戦でも顔を合わせることが決まっている韓国代表と対戦し10-8で勝利。次戦を見据えての戦いを終え、さらに起用を悩ませている。
2019/11/17
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「違い」を生み出せる外崎修汰
次に、課題となるのが、脇役をどう決めるかだ。
これまでの戦いを振り返ると、攻撃面の方では、4番の鈴木誠也が中心になっている。先制点や決勝打のほとんどが彼からもたらされているし、本塁打も彼しか打っていない。チャンスで回せば結果を必ず出してくれる期待感さえある。鈴木の前後を打つ浅村栄斗も好調をキープしている。彼らが、いわゆる主演を務める二人だ。
一方、悩みどころは、固定できない1番打者、そして、先発、あるいは途中出場で、「違い」を生み出すことができている外崎修汰の起用法だ。この二つをどうクリアーにしていくのだろうか。
外崎に関してから先に書くが、16日は「9番・二塁手」で先発した菊池涼介に変わって、3回裏から代走で出場し、最後まで役割を全うした。
圧巻だったのは、3回裏の代走の時で、外崎は、その2球目に盗塁を仕掛けている(成功)。5回の守備では1死一、三塁からの右翼フライで、中継プレーに入り、本塁生還を阻止している。8回にも、四球で出塁し、盗塁を決めた。
本人曰く「いい感じ」に来ているそうだ。
打席では、国際大会用にタイミングの取り方を変えて、それがはまっている。守備は彼の持ち味の一つだが、この日決めた二つの盗塁はどちらも、3球以内に決めたものだ。
これが意外に重要で、盗塁のできるランナーが一塁にいる際、バッターは走者が盗塁するタイミングを見計らっている。所属チーム同士であれば、その気遣いは気心でカバーできるが、代表チームというと、そういうわけにはいかない。失敗するにしろ、早い仕掛けが必要なのだ。
その点、外崎は心得ている。
「早いカウントでいくことを考えていました。バッターからしてもカウントが浅い方が助かると思うし、常に1球目から行くつもりで準備をしています。今日はクイックもいけるタイミングの投手でしたからね」
代表の「足」といえば、いつも代走で起用されている周東佑京の存在が目立っているが、彼は盗塁を決める一方、一塁走者の際に打者が三振するケースが5度もあった。もちろん、投手の違いや、打順の巡りもあるから、一概に、外崎との差とは決め付けられないが、少なくとも、外崎には「バッターのためにも早く仕掛ける」意識があることはプラスになる。
外崎をベンチに置いておくのはもったいない。
二塁なら菊池を、三塁なら松田宣浩をベンチに追いやることになるわけだが。稲葉監督は、どういう選択をするだろうか。