【韓国の眼】北朝鮮、2020東京五輪目的に野球を国策に? 平壌で審判講習の開催を要請の狙い
世界中に野球が存在している今日だが、日本においては他国の情報を得る機会が少ない。その代表格といえるのが北朝鮮だ。
2016/02/28
波山次郎とキューバの存在
社会主義体制や冷戦の影響で野球は「アメリカ帝国の産物」と呼ばれ敵視されてきた。だが過去に北朝鮮出身の選手が日本球界に在籍したことがある。
彼の名前は波山次郎(本名:ユン・チャラン)。高校時代は東北高校のエースとして58年から2年連続で甲子園に出場した。また、早稲田実業の投手だった王貞治と投げ合い、完投勝利した実績をもつ。2度のノーヒットノーランなど多くの実績を引っ提げて60年に大洋ホエールズに入団した。
プロ初出場は偵察要員だったが、初登板となった同年10月5日のカープ戦では長谷川良平と投げ合い、6回1失点で勝利投手になった。同試合では二塁打や右安打を放つおまけもついた。その後は伸び悩み、わずか5年でプロ生活を終えている。通算成績は24試合 2勝4敗 防御率2.58だった。
北朝鮮にとってキューバの存在は欠かせない。野球は親日家として有名なフィデル・カストロ氏が金日成氏に勧めたという一説もある。いつから正式に両国の野球交流が始まったのかは定かではないが、74年には7試合が行われた。そこで波山も投手として出場。本塁打も放っている。
その後も88年に再度、同カードで試合をし、04年のアテネ五輪では決勝戦のオーストラリア対キューバを朝鮮中央テレビが中継したこともあった。
北朝鮮自身の国際大会への参加は91年と93年の2度しかない。これまで音信不通だったこともあり、現在でも国内の状況把握は困難だ。