第87回都市対抗野球大会の32代表が決定。予選では強豪敗退が相次ぐ【横尾弘一のプロにつながる社会人野球】
第87回都市対抗野球大会の32代表がすべて出揃った。
2016/06/16
グランドスラム
地震の影響で短い練習期間も、代表を勝ち取った西部ガス
また、九州第三代表に滑り込んだ福岡市・西部ガスの杉本泰彦監督は、「凄い選手たちに教えられた」と実感を込めて語る。春先から順調にチームを仕上げてきたが、熊本地震が発生すると状況は一変。選手たちは被災地入りして復旧作業に励んだ。京都大会を辞退するなど、練習を再開できたのはゴールデン・ウィーク明け。約2週間で迎えた予選に、杉本監督も「選手に無理はさせられない。特に投手は球数を決めて起用するしかない」と腹を括った。そして、初戦(二回戦)で鹿児島ドリームウェーブに3-12と大敗。早々に敗者復活戦にまわると、敗者二回戦では沖縄電力に2-4とリードされて9回裏まで追い込まれる。
しかし、二死一、二塁と最後の粘りを見せ、天久朝治が起死回生の逆転サヨナラ3ラン本塁打を右中間に叩き込む。これで生き返った選手たちは、第三代表決定トーナメントに3連勝した。
「必死に練習しても負けることがあるのに、これだけ練習不足なのに勝てるとは……。指導者は『気持ちで勝て』と簡単に言いますけど、それを実践した選手たちは凄い」
知将・杉本監督にそう言わせたチームで、旋風を巻き起こしてもらいたい。
連覇を狙う日本生命、攻守に勝負強さを備えた東京都・JR東日本、投打に圧倒的な戦力を誇る豊田市・トヨタ自動車をはじめ、黒獅子旗を目指す戦いはどんな展開になるのか。 注目の組み合わせ抽選会は、6月18日の午後、多くのファンにも見守られながら東京都内で実施される。