清宮世代の2017年ドラフトは“打高投低”。来春のセンバツ出場が予想される逸材高校生を一挙紹介
第47回明治神宮大会高校の部は履正社(大阪)の優勝で幕を閉じた。これで来春のセンバツ出場の参考となる大会は全て終了。1月末の選考会を経て、出場校が決まる。清宮幸太郎率いる早実の出場は確実視されているが、2017年のセンバツ大会にはどのような選手たちが集まるのか。出場が予想されるドラフト候補をリポートする。
2016/11/17
フォームと安定感なら福岡大大濠の三浦がNo1
一方の投手だが、好投手が多かった昨年の大会に比べると現時点では少し寂しい印象を受ける。誰もが認めるバリバリのドラフト候補というのは不在の大会となりそうだ。
それでももちろん好投手はおり、まず右投手では平松竜也(盛岡大附高)、金久保優斗(東海大市原望洋高)、竹田祐(履正社高)、三浦銀二(福岡大大濠高)、山口翔(熊本工高)などの名前が挙がる。
平松は少しクロスに踏み出すステップと押し出すようなリリースが気になるものの、長いリーチとスタミナが魅力。序盤から終盤までコンスタントに140km前後をマークする。
金久保はスライダーのキレとコントロールが抜群。それに頼って秋は球威がもうひとつだったが、センスは申し分ない。竹田は開かないフォームと投球術が光る。緩急を上手く使い、要所を締めるピッチングはさすがだ。フォームの安定感とコントロールなら三浦がナンバーワン。130km台後半が多いが、両サイドにしっかり投げ分けて神宮大会でも見事なピッチングを見せた。山口は細身だが柔らかい腕の振りが抜群。少し体の開きが早くリリースは不安定だが、楽に投げているようでも140km台が出るのは大きな魅力だ。
サウスポーでは長谷川拓帆(仙台育英高)、池谷蒼大(静岡高)、田浦文丸、川端健斗(ともに秀岳館高)などが候補になる。
長谷川はたくましい体つきで馬力が持ち味。左右に肩が振れるためコントロールは不安定だが、重い速球は魅力だ。池谷は神宮大会ではもうひとつだったが、右肩がぎりぎりまで開かないフォームは技術の高さを感じる。大きいカーブとストレートのコンビネーションで打たせてとる投球が持ち味だ。田浦と川端はと左肩の下がるフォームのため体重が後ろに残り、リリースが安定しない欠点はあるものの、指にかかった時のボールの角度は一級品。九州大会では田浦が初戦で17奪三振、川端が準々決勝で14奪三振と見事なピッチングを見せた。
全体的に打高投低な感は否めないが、一人のスターがいると「〇〇世代」と呼ばれてその存在に引っ張られて全体が一気にレベルアップする現象はよく見られる。そういう意味では清宮一人の大会にならない可能性も十分に考えられる。一冬を越えて大きく成長する姿を甲子園で見せてくれることを期待したい。