甲子園に打順革命? 増える“攻撃的2番”。好投手相手に強振、狙うは確変イニング【全国高校野球】
第99回全国高校野球選手権大会は17日、1、2回戦が終了し、ベスト16が出そろった。彦根東のサヨナラ勝ちでスタートした今大会は、2日目の第1試合で昨夏の覇者・作新学院(栃木)が敗退。2回戦では春夏3季連続4強の秀岳館(熊本)が広陵(広島)に敗れるなど、激戦が相次いだ。今大会のここまでの試合を振り返りたい。
2017/08/18
確変イニングを作るためのオーダー
確変イニングを作るためのオーダー――。そう語ったのは花咲徳栄(埼玉)の岩井隆監督だ。1回戦の対開星(島根)で9得点、2回戦の対日本航空石川(石川)では初回に5点を上げて勝利し、3回戦へ駒を進めた。
花咲徳栄は、昨夏のチームで1番だった千丸剛を2番に起用した。「チームの中心打者の千丸と西川を離したくないんです。ダブルタイムリーを打ちに行きたい。2人が生きるためには9番の岩瀬と1番の太刀岡の出塁が鍵になる。攻撃力を厚くしたくて、1番を入れ替えました。一気に畳みかけ、得点する。確変できるようにするためのオーダー」という。
身長165センチの小柄ながら、地元のプロ球団・東北楽天ゴールデンイーグルスの“驚異の2番”をイメージに挙げたのは、仙台育英の2番・鈴木佳祐だ。
「楽天の2番はペゲーロが打っている。普通は4番なのに2番。あんなイメージにはなりたい。実際はダブルトップバッターという意識です。バントのサインもありますが、ランナー一塁から自分も出塁するというイメージ。1、2番でガンガン打って流れを持っていきたい」
これは佐々木順一朗監督の打順哲学に起因する。
「全員4番バッターを並べるか、1番バッターを並べるかでいったら、僕は1番の方が強い打線になるだろうと思っている。意識的に1番が多いチームにしたいから、1番打者タイプを3人並べようと今の打順にした」
初戦の滝川西(北北海道)戦では1回表、1死から2番・鈴木が二塁打で出塁すると、続く山田利輝が先制の2点本塁打。強烈な先制パンチを浴びせると、15得点で快勝した。
「2番=つなぎ」と小技に長けた選手を置くケースが多いが、今年の強豪校は「攻撃的2番」を置く傾向にある。これが今大会の打撃好調の一因になっているかもしれない。