振り逃げ3ラン…? 併殺完成直前にタイム…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】
野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2018年1月1日配信分、再掲載)
2020/04/05
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正解は…
A:3アウト目より早くホームを踏んでいるので得点が入る。
2012年8月13日、夏の甲子園2回戦、鳴門対済々黌でのプレー。7回裏、済々黌が1アウト一、三塁でショートライナー併殺。三塁走者はリタッチせずに本塁に走ると、3アウト目の捕球よりも早く、本塁を踏んだ。鳴門の内野手がラインを越えたあと、球審は「1点」を宣告した。
もし、ショートゴロで6→4→3の併殺であれば、三塁走者が3アウト目よりも早く本塁を踏んでも得点が入らないことはわかる。これは、フォースプレーであるため。
公認野球規則7.08(e)項に「打者が走者となったために、進塁の義務が生じた走者が次の塁に触れる前に、野手がその走者またはその塁に触球した場合。(このアウトはフォースアウトである)」という記述がある。
済々黌の打者はライナーでアウトになった時点で、走者ではなくなる。そのため、一塁走者の進塁義務も消滅し、フォースアウトの状態ではなくなる。
4.09「得点の記録」の(a)項も見てみよう。「3人アウトになってそのイニングが終了する前に、走者が正規に一塁、二塁、三塁、本塁に進み、かつこれに触れた場合には、その都度、1点が記録される」
フォースアウトではない場合、この項目が適用される。
ただし、三塁走者はタッチアップしたわけではないため、一塁に送球したあと、三塁に送球すれば「第3アウトの置きかえ」によって得点を防ぐことができた。