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「日本人は自分たちで余白を消していく」。ドミニカアカデミー指導者が語る“真の”選手ファーストとは【ドミニカ野球奮闘記#5】

2019/12/16

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高橋康光



セカンドキャリアはドミニカの大きな課題

そうやってMLBアカデミーに入るために選手は大事に育てられますが、いざトライアウトとなると話は変わってきます。選手は合格したいし、プログラム側も売り込みたいしということで無理をしてトライアウト過多というケースも多く、実はケガの発生率が高いです。実際に、契約後にケガで1年間投げられない投手なども多くいると聞きました。
 
いずれにしても、ドミニカの選手育成はお金の事情による部分が大きいです。日本では若年層の育成で大金が動くと聞くといいイメージはないでしょうが、ドミニカではそういうものとして受け止められている分、逆にお金の流れがオープンにされている印象があります。
 
また、ドミニカでは学校を出たところでいい仕事に就けるチャンスも少ないこともあり、プログラムでプレーする子の多くはプロになるチャンスに賭けて学校に通わないというケースが見られます。仮にMLBのアカデミーに入ったり、マイナーリーガーになったとしても、そこでドロップアウトすれば、学もお金もなく社会に放り出されることになります。犯罪に走る若者もいますし、セカンドキャリアに関してドミニカは大きな問題を抱えていると思います。

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