東西の“横綱”はどの高校か?高校野球100年、高校の番付を作ってみた!【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、今年で100周年となる高校野球についてだ。
2015/08/05
西日本で増える甲子園初出場校
東の大関は県岐阜商。公立では最多勝。学校は1904年創立。春の大会に強く、3回の優勝がある。中日の名内野手高木守道、先日2000安打を記録した中日の和田一浩、広島の正捕手石原慶幸などを輩出。
西の大関は、京都の龍谷大平安。勝ち星では3位。1876年滋賀県に創立され、京都に移って1910年に平安中学となる。「平安」の名は戦前から甲子園を沸かせた。2008年に龍谷大学の傘下となり現在の名前となる。阪神の名外野手金田正泰、大洋の好打者近藤和彦、広島の鉄人衣笠祥雄、阪神の代打の切り札桧山進次郎など個性的な選手を輩出。
東の関脇は愛知の東邦。この学校も春に強く、優勝3回。1977年にはバンビと言われアイドル的な人気のあった1年生エース坂本佳一で準優勝。巨人の正捕手山倉和博などが出ている。
西の関脇は愛媛の松山商。こちらは夏に強く、優勝5回。1969年には太田幸司を擁する三沢との決勝戦で延長18回、引分け再試合を演じ、日本中を沸かせた。阪神の景浦將をはじめ、多くの名選手を輩出。
東の小結は、東京の早稲田実業。王貞治、荒木大輔、斎藤佑樹と甲子園のヒーローを生み出し続けた。今年は1年生スラッガーの清宮幸太郎が大会の目玉になっている。
西の小結は、奈良の天理高校。紫色のチームカラー、強力打線で有名だ。夏2回、春1回の優勝。南海のスラッガー、門田博光らを輩出。
以下、十両には錚々たる顔ぶれが並ぶ。
西十両筆頭は、ここ数年、最強校の評判が高い大阪の大阪桐蔭。1983年創立の新しい学校。野球部は88年創設だが、91年に全国制覇。ここから一気にトップ校に上り詰めた。この夏、甲子園に進出すれば「新入幕」間違いなしだったが、大阪偕星に敗れた。
春の優勝校、福井の敦賀気比はあと1勝すれば「新十両」である。
番付にある学校で、今年の夏の甲子園に出場しているのは、東が12校、西が7校。前述の大阪偕星もそうだが、西日本では新興チームの台頭が著しく、古豪、名門校でも甲子園に進むのは簡単なことではなくなっている。
今年は予選の参加校数が減少し、連合チームも予選に出場している。しかし強豪校には選手が集まり「少数激戦」の様相だった。
甲子園大会も、力が近接したチームによる「好ゲーム」が期待される。番付にも大きな変化が出るかもしれない。熱戦に期待したい。