【アメリカの眼】「自分自身を見失わず、適応していくこと」元阪神のマートンが語る新天地での活躍のカギ
阪神での6年間で首位打者1度を含み通算打率.310を記録したマートンは、今季はマイナー契約からメジャー復帰を目指す。新天地で活躍するためには「適応が重要」と語っている。
2016/03/09
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家族を養うために決断した阪神入り
セイバー系サイト『ファングラフズ』は、阪神で6年間にわたり活躍し、今季はカブスとのマイナー契約からメジャーへの復帰を狙うマット・マートンを取り上げている。
デビッド・ローリラ記者が彼が異国で成功を収めた要因として、「自分自身を見失うことなく、環境に適応していくこと」を挙げた。阪神での初年度に、イチローの持つシーズン最多安打記録を更新したことも報じている。
マートンはMLBから姿を消したのち、NPBで大活躍した。6年間在籍した阪神タイガースでは、通算打率.310だった。そして34歳にして米球界に復帰。シカゴ・カブスでメジャーへのチャンスをうかがっている。
もともとは2003年ドラフトでレッドソックスから1巡目指名を受けたプロスペクトだった。翌年7月に主砲のノマー・ガルシアパーラとともにトレードでカブスへ移った。
05-07年はスラッシュライン(打率、出塁率、長打率のこと).303/.370/.462と中々の好成績を残している。ところが、08-09年は3球団を転々とし計57試合しか出場していない。2010年、マートンは海を渡った。
「もう一度生き残りを掛けて戦うか、それとも出場機会が保証されている場を選ぶかという選択だった」とのマートンのコメントが、記事では紹介されている。
「ぼくは28歳で、養わなければいけない家族があった。生活が懸かっていたんだ。だから、日本行きは良い機会だと考えたんだ」
現実的な選択をしたマートンだったが、決断にあたっては微妙な心理状態もあったとローリラは記している。
Murton has mixed feelings on his initial big-league tenure. He did his best and feels he was reasonably successful. He also feels he could have done a better job. He has a lone regret.
マートンはメジャー生活に複雑な感情を抱いているという。全力を尽くし、それなりに成功したと思っているが、もっとやれたのにという悔いもある。